父親は刃物購入に同行などを認めた上で「娘は趣味でナイフを集めていて、違和感なかった」母親は「男性と会うことは止めたかった」と話す

7月上旬、札幌市の繁華街ススキノのホテルで、62歳の男性が殺害されて首を切断、頭部を持ち去られた事件…両親の弁護人によりますと、父親は、29歳の娘と一緒に刃物を購入したことなどについて認めた上で「ナイフを集めるのは娘の趣味で、違和感はなかった」と説明し、殺人や死体損壊などへの「共謀は一切ない」と話しているということです。
札幌市厚別区の無職、田村瑠奈(るな)容疑者29歳と父親で医師の修(おさむ)容疑者59歳、それに母親でパート従業員の浩子容疑者60歳の親子3人は共謀し、7月1日深夜から2日未明にかけ、札幌市のススキノのホテルで、恵庭市の62歳の男性を刃物で刺殺して首を切断、頭部を持ち去るなどした疑いが持たれています。
捜査関係者によりますと、3人の自宅からは、およそ20本の刃物が押収され、このうち4本がノコギリだったことがわかっています。
瑠奈容疑者と修容疑者は事件前、自宅近くの量販店で、ノコギリや複数の刃物を購入していて、瑠奈容疑者が男性とホテルに入る3時間近く前の7月2日午後8時ごろ、ノコギリを追加で買っていたことも明らかになっています。
男性の首は、ノコギリなどの複数の刃物で切断されていて、捜査本部は、犯行に使われたノコギリなどの特定をすすめています。
一方、修容疑者と浩子容疑者の弁護人が取材に応じ、父親の修容疑者は事件前、瑠奈容疑者と一緒に刃物を購入したり、瑠奈容疑者を車でススキノに送迎したりしたことを認めています。
その上で、刃物購入については「娘は、ふだんから趣味でナイフを集めていて、違和感なかった。(娘は)家の中で、木の枝などを切っていた」。
ススキノへの送迎も「男性と遊ぶ約束をしていたから」などと話し、殺人や死体損壊などについて、浩子容疑者共々「一切共謀していない」と話しているということです。
さらに、捜査関係者への取材に基づき、報道された浩子容疑者の「娘の犯行を止めたかったが、止められなかった」という当初の供述についても「そのような事実は一切なかった」としました。
その一方で浩子容疑者は「(トラブルになっていたので)男性と会うことを止めたかったが、止められなかった」とは話しているということです。
<被害男性の遺体、客室の状況など>
・7月2日午後、遺体発見 ・死因は、出血性ショック ・致命傷は、背後からの首付近の刺し傷 ・刃物が肺まで達する ・両手を後ろで拘束 ・殺害された後に首を切断 ・頭部を持ち去られる ・襲われた時に抵抗してできる防御創なし ・ホテル客室の浴室で全裸 ・浴室の血は、洗い流された状態 ・浴室以外のベッドなどに利用の形跡なし ・衣服、携帯電話などの所持品なし ・睡眠導入剤などの薬物検出なし
<親子3人の動きなど> ・瑠奈容疑者が5月下旬、ススキノのダンスクラブで初めて会ってトラブルに発展か ・その日、ダンスクラブに父親もいて、事件前から被害男性と面識か ・何時間も自宅前の車内で過ごす精神科医の父親 ・父娘2人で自宅近くの量販店へ ・7月1日午前2時ごろまでに刃物など揃える ・ノコギリ、スーツケース、複数の刃物、金髪ウィッグ、手錠など ・防犯カメラに映像、父親のクレカ履歴も確認 ・1日午後8時ごろ、ノコギリを追加で購入 ・1日午後10時50分ごろ、瑠奈容疑者が被害男性と2人でホテルへ ・2日午前2時ごろ、瑠奈容疑者1人だけ退室 ・大きなスーツケース引く ・入室時と退室時で異なる服装 ・現場に瑠奈容疑者の指紋なし ・父親はマイカーで瑠奈容疑者を送迎か ・2日未明、父親がコンビニで10袋ほどの氷を購入 ・防犯カメラの映像には父親1人だけ ・父親の車で、ダンスクラブへ (被害男性と会っていた店舗とは別) ・母親も計画段階から認識などの疑い ・母親は当初「娘の犯行を止められなかった」などと供述か (弁護人は否定、報道は誤りと指摘)
<家宅捜索などで判明、押収など>
・自宅2階の浴室で頭部発見 ・ビニールに包まれ、容器に入った状態 ・腐敗すすむも、歯形で被害男性と判明 ・事件直前のディスコイベントで被害男性が着用とみられる“衣装”を押収 ・親子3人のスマホも押収 ・頭部を浴室で撮影の動画発見 ・手袋はめて頭部に触れるシーンも (誰が触れたか、撮影したかは不明) ・映像の頭部は、まだ腐敗がすすんでない状態 (どこで動画発見かは不明) ・男性の運転免許証、財布、衣服を発見 ・男性のスマホは、ホテルで瑠奈容疑者が破壊か ・SIMカードは父親の車で発見~押収 ・3人のいずれかのスマホに「ススキノ 殺人」と検索した履歴 ・瑠奈容疑者のスマホに男性と連絡を取り合った形跡なし ・3人の自宅から約20本の刃物を押収(ノコギリ4本、その他の刃物十数本) ・父親は刃物購入に同行、ススキノへの送迎は事実と認める
取り調べに対して親子3人は、殺人などの容疑を否認、黙秘を続けているということですが、捜査本部は、引き続き3人の役割や動機など、事件の全容解明をすすめています。

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