北海道伊達市で22日、8歳の女子児童が熱中症の疑いで倒れその後、死亡しました。伊達市教育委員会は臨時の校長会を開き、学校の不適切な対応を認めました。
伊達市教育委員会 影山吉則教育長)
「ご家族の心痛を察するにあまりあり、私も子を持つ親の1人として耐え難いものがあります」。
22日正午ごろ伊達市の伊達小学校で小学2年生の女子児童が熱中症の疑いで搬送されその後、死亡しました。
女子児童のクラスは23日、3時間目と4時間目の体育の授業をグラウンドで実施しました。女子児童は授業終盤の午前11時半過ぎ、鉄棒で今までできなかった「前回り」ができるようになり先生と喜んでいたということです。その後、教室へ戻る途中に体育館で倒れているところを先生に発見されました。
富永誌衣那記者)
「体育の授業を行っていた鉄棒やうんていの近くには日陰となるような場所がほぼありません」
22日正午ごろの伊達市の最高気温は33.5℃。統計開始以来最も高くなりました。
高橋海斗記者)
「体育の授業が行われていた時間帯の暑さ指数は赤くなっていて熱中症になる危険が高くなっていたことが分かります」。
温度や湿度から人が実際に感じる暑さの目安となる「暑さ指数」。環境省は暑さ指数が31を超えた場合、「運動は原則禁止」と定めていますが、22日の伊達市は午前9時からこの数値を超えていました。
今回の事態を受けて市教委は23日朝、臨時の校長会を開催。外で体育の授業を実施したことなど学校の対応が不適切だったことを認めました。
伊達市 堀井敬太市長)
「教育委員会の中で基準やガイドラインを設けていてそれに即して対応していたということではあるが、こういう結果になったのは十分な対応ができていなかったという風に認識しています」
また、学校側が「暑さ指数」を確認せず、気温だけで屋外での授業実施を判断していたことが明らかになりました。
伊達市教育委員会 影山吉則教育長)
「暑さ指数というところに絞り込んだ対応は不十分だった」、「どこに問題があったかを明らかにして直ちに対応を検討したい」。
伊達市内の小中学校は暑さ指数計を備えていないことから、市教委は早急に市内の小中学校向けに購入するとしています。また、指数計が届くまで、気温が28℃を超える日は屋外での体育の授業を行わないということです。