《お酒は色々飲んできたけどクライナーが断然1番だね!アルコール度数20%で味はイチヂクのリキュール!これ使って今日は100本飲むまで帰れまてんとかやると面白いです!》
《懲りずにコカタワー 皆んな大騒ぎパリピ化!記憶飛ぶ者続出!関係ないから!!》
「#酒ヤクザ」のハッシュタグと共に、若い女性たちに囲まれシャンパンを空ける様子をSNSに日々投稿していた男が逮捕されたのは、今年5月12日のことだった。
男の名は板谷博希被告(41)。当初板谷被告は、25歳の女性を酒に酔わせたうえで名古屋市内のホテルに連れ込み、意識がないことを知りながら必要な保護をせず、わいせつ目的略取と保護責任者遺棄容疑で逮捕されていた。だが今月9日、事態は急変する。
「女性は発見された際に意識不明の重体だったのですが、そのまま約1カ月半後に実は死亡していたのです。死因は急性アルコール中毒による低酸素脳症。名古屋地検はこうした事実を重く受け止め9日、起訴事実をわいせつ目的略取と準強制性交致死罪に変えるようにと地裁に請求しました。起訴状で新たに明らかになったのは、板谷被告が事件当日、女性にアルコール度数40度のテキーラをなんと32杯も飲ませていたことでした」(全国紙記者)
異常な体育会気質を窺わせる投稿が散見
こうした“強要”は、どうやら日常茶飯事だったようだ。板谷被告のインスタグラムには、
《最近思う事!最後の最後まで生き残ってる人の何と少ない事か!!鍛え直したらなかんか!真剣!!》
《いつも飲んでると必ず駆けつけて来れる最高な奴等!!気兼ねなく馬鹿騒ぎ出来るフラットな感じが最高だね!!そんな妹ちゃん達は俺の宝物一生大事にするからこの先も宜しくやで!!》
などと同席する女性たちにも容赦なく飲酒させる、異常な体育会気質を窺わせる投稿が散見される。さらには「シャンパンチャレンジ」と題打って、知人男性にシャンパンボトルを30秒で飲み干させるという、まさに“酒ヤクザ”そのものの動画まで多数アップしていた。
板谷被告自身も、《最近飲みだすと確実に12時間以上飲み続けているから正直悔やむ事しばし》と投稿するほど相当な酒好きのようで、氷の入ったシャンパンクーラーにドンペリを流し込み一気飲みする自身の異常な姿も残されていた。《酒がその人を駄目にするんじゃなく酒が駄目な自分を暴くだけの話で酔った姿こそ本来の自分の姿!願望であったり飾らないありのままの自分であると尽々思う!!》と自身の酒哲学を語る一幕もあった。
暴走族の元総長だった板谷被告の犯罪歴
“酒ヤクザ”のもう1つの顔は、暴走族の元総長の顔である。前述の社会部記者が続ける。
「板谷被告は名古屋を拠点にする暴走族『徳命会』の元総長だったようです。かなり狂暴な男で、犯罪を繰り返す半グレたちのリーダー格でした。20代の頃から強盗や窃盗で逮捕された過去があるようですが、それも1度や2度の話ではないようです。店のガラスをバールで割って窃盗をはたらいたり、恐喝をしようとしたりとまさにやりたい放題。
直近では2019年だけでも盗みの目的でマンションに侵入したことや、偽造された商品券を金券ショップで売りさばいたことなどで、3度逮捕されています。もう慣れてしまっているのか、逮捕されても懲りる様子がありません」
酒ヤクザを続けてこられたのもこうした悪いカネの流れがあってこそ、なのだろうか。板谷被告はSNSに《貨幣とは鋳造された自由である!自由即ち貨幣!!》と投稿するなど、絵に描いたような拝金主義の一面もひけらかしている。こうしたワルの経歴を歩みながら、なかには目を疑うような投稿もあった。
《名声は直ぐ蒸発し人気は事故のようなもので富は羽をつけて飛んで行く!いつ迄も残り続けるのは人格だけだろ?!》
さらに、板谷被告は“ポジティブ”な言葉も多く残していた。
《他人から常軌を逸していると思われる生き方が出来ていなければ埋もれた人生しか送れていない証!頭一つ抜けたければ常軌を逸するのみ!!オスオーッス!!》
《第三者の評価を気にするような生き方はしたくない!自分が納得する生き方をすれば良いだろ?!オスオーッス!!》
度重なる逮捕の反省もなく、ついには尊い女性の命が失われる最悪の結果を招いてしまった。
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文春リークス: https://bunshun.jp/list/leaks
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2023年8月31日号)