大阪IRのPRに「あおもり犬」など3点を無断使用 府市が作者に謝罪

大阪府と大阪市がカジノを含む統合型リゾート施設(IR)のイメージを紹介する動画などで、芸術作品が作者の許諾を得ずに使われた疑いがある問題で、府市は29日、新たに判明した1人を含む作者計3人の作品を無断で使用していたと発表した。他の広報物にも写真など20点を無断使用したことも判明。府市は作者に謝罪し、事業者側に使用許諾の状況を書面で提出させるようにした。
無断使用されたのは、いずれも日本を代表する現代美術家の奈良美智(よしとも)さんの「あおもり犬」と村上隆さんの「お花お花お花」のデザイン。他にも1点判明したが、府市は作者や作品名を明らかにしていない。
府市によると、運営事業者「大阪IR株式会社」の中核株主、米カジノ大手MGMリゾーツ・インターナショナル日本法人とオリックスが令和2年6月ごろ、事業者の公募に応じた際、「あおもり犬」を暫定的に用いたイメージを作成。奈良さんに利用許諾を依頼したが、同月末に断られた。
その後、新型コロナウイルスの影響で公募期限が延長され作業を中断。約1年後に作業を再開し、イメージから作品を削除しないまま動画などを府市に提出したという。村上さんについては、利用許諾を依頼した形跡がなかった。
これとは別に、事業者が利用許諾を得ないまま府市に提供した写真など計20点も確認されたという。
無断使用は政府が府市のIR整備計画を認定した4月14日、奈良さんの指摘で判明。事業者側が調査していた。現在は動画や資料など全ての広報物の使用が停止されている。

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