佐賀県は31日、同県唐津市肥前町切木の養豚場で豚熱(CSF)の感染が確認されたと発表した。県は家畜伝染病予防法に基づき、飼育されている約1万頭の殺処分を開始した。佐賀県内では8月30日、約800メートル離れた唐津市内の別の養豚場で豚熱の感染が確認され、県は飼育されている約500頭を31日までに殺処分した。農林水産省によると、九州での感染確認は1992年に熊本県錦町で確認されて以来31年ぶり。
佐賀県によると、8月30日午前7時ごろ、唐津市肥前町の養豚場から県北部家畜保健衛生所に「子豚の死亡数が増えている」と通報があった。この養豚場では26~29日に約200頭の子豚が死んでおり、県の遺伝子検査で陽性と判定された。31日に国の研究機関で検査した結果、感染が確定した。
この養豚場は県内で2番目に規模が大きく殺処分の数が約1万頭と多いため、県は自衛隊の派遣を要請した。
対応状況の確認などのため、31日に県の対策本部を訪れた農水省の藤木真也政務官は報道陣の取材に「ついに九州に来たなというのが正直なところ。南九州の一大産地に入ったらとんでもない話になる。初期対応を間違えないように進めたい」と話した。【斎藤毅】