《割烹で祝勝会「心からありがとう!」写真》 維新・枚方市長が公職選挙法違反の疑い 本人は「祝勝会っていうのは、よろしくないと思いますね」

大阪維新の会に所属する伏見隆・枚方市長(55)が、3期目の当選を果たした9月3日の枚方市長選後に、自身の選挙スタッフなどが開催した「伏見たかし祝勝会」に出席し、お礼を述べていたことが「 週刊文春 」の取材でわかった。
選挙後の挨拶行為を禁じる公職選挙法に違反する可能性がある。伏見氏は取材に「(陣営に)有権者へのお礼の行為がよろしくないという認識がなかったと思う」などと語り、「よくなかった」と認めた。
枚方市議や大阪府議などを経て、2015年から枚方市長を務める伏見氏は、大阪維新の会首長団のメンバーでもある。
恫喝的な発言をしてきた伏見氏
「2018年に行われた枚方市役所と枚方青年会議所(JC)の意見交換会の場で、当時のJC幹部が市長選への意欲を示していたことを念頭に、『政治が一回絡むともうね、殺しに合いになってくる』『とことんやったらええけど、その代わり、市役所との付き合いっていうのはこれまで通りできないから』などと恫喝的な発言をして物議を醸しました」(地元関係者)
そんな伏見氏が3期目の当選を目指した枚方市長選。8月7日に開催した決起集会には、大阪維新の会代表の吉村洋文大阪府知事や、日本維新の会の中司宏衆院議員や池下卓衆院議員などが駆けつけた。
「維新が一丸となって応援し、トリプルスコアで圧勝しました」(同前)
祝勝会当日の模様を収めた写真を入手
問題の祝勝会は、その市長選から12日後の9月15日18時半から、大阪府枚方市内の割烹料理店で行われた。会費は一人6000円(税込)だった。「週刊文春」は当日の模様を収めた写真を入手。宴会場に掲げられた横断幕には〈伏見たかし 祝勝会〉〈心からありがとう!〉などと書かれている。伏見氏が支援者や選対スタッフを前に選挙での支援についてお礼を述べる場面もあった。
しかし、公職選挙法では、事後買収につながる恐れなどがあることから、当選祝賀会などの選挙期日後の挨拶行為が禁じられている。
「公選法178条で、何人も選挙の期日後において当選または落選に関し選挙人に挨拶する目的をもって各号に掲げる行為をすることができないと規定されています。5号では、当選祝賀会その他の集会を開催することが禁止されている。これに違反した場合、30万以下の罰金に処されます。会費の徴収の有無は問いません」(総務省選挙課)
本人はどう答えるのか。伏見氏に話を聞いた。
――9月15日の祝勝会は公選法違反では?
「うーん、あの、あれですね、選対の解散式で、はい……。いや、当選のお礼じゃなくて、みなさん選対で選挙手伝っていただいたので、それに対してお礼申し上げたという感じですね」
――横断幕にも「祝勝会」と。
「そこに書いてあったのは、私もそこは記憶していますので、それが、法律とかそういうことに対して理解してない方がそういうことをしたということやと思うんですよね」
――市長が当選のお礼をしたと見られかねない状況だが?
「そういう横断幕をつくるくらいですから、みんなというか、大半の人が、お礼の行為、これは有権者へのお礼の行為かと(受け止めた)。そういうことがよろしくないという認識が(陣営に)なかったものと、自分も思いますよね、それはね」
主催は「LINEをつくっていて、そこでの呼びかけなので」
――市長は、どんなお礼を述べた?
「あの、選挙をするにあたって、選対がないと、選挙できませんから。これまで選挙、つくっていただいたことに対してね。それについては、お礼をということで申し上げましたけどね」
――主催は?
「まあ選対のほうでね、LINEをつくっていて、そこでの呼びかけなので」
――公選法で禁じられている行為だ。
「そうですね、はい。その点については、ちょっと申し上げたんですよね。まあ、集めてくれた方にね」
――会費の6000円はその場で徴収して領収書ももらった?
「私はその場で払って、領収書もその場でもらいましたけどね」
――領収書の名義は後援会?
「うーん、ちょっとそれ見てみないと、はっきりわからないですね。こっちの認識では、後援会ではないという認識ですけどね。選対のメンバーが、選対としてやっているのか、個人としてやっているのか。ただ、私としては、選対の解散式という認識なんですよね」
――気をつけたほうがよかったのでは?
「そうですね、祝勝会っていうのは、よろしくないと思いますね」
各種世論調査で立憲民主党を超える支持率を記録し、次期衆院選で野党第一党を目指す維新の会。「週刊文春」が報じてきた 馬場伸幸代表による社会福祉法人の“乗っ取り疑惑 ”や、 藤田文武幹事長の政治資金規正法違反疑惑 のほか、最近では、毎日新聞が池下卓衆院議員の公設秘書を巡る“兼業問題“を報じるなど、不祥事や問題事案が絶えない。伏見氏の公職選挙法違反疑惑についても、党として、どのような対応をとるのか注目されそうだ。
(「週刊文春」編集部/週刊文春Webオリジナル)

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