「プールの水」賠償請求、川崎市に抗議100件以上 市長「教員不足とまったく別の話」

川崎市立稲田小(同市多摩区)のプールの水を張る作業の不手際で大量の水が無駄になった事案で、市が男性教諭に賠償請求したことを巡り、市に対応を疑問視する問い合わせが28日までに、100件以上寄せられていることが分かった。賠償請求に対する同情的な意見も多いというが、市は処分を変更せず、賠償手続きを進めているという。
男性教諭の不手際で5日間にわたり水を出し続けて約220万リットル(25メートルプール約6杯分)を流出したことで、損害となる上下水道料金は約190万円に上った。市は、同校の校長と男性教諭に過失があったと判断し、8日付けで2人に損害額の約半分の約95万円を請求した。
市教育委員会によると10日の発表後、「市長への手紙」のほか、市教委への電話やメールを通じ、市内外から「賠償請求は酷だ」「教員不足に拍車をかける」といった意見や抗議が寄せられたという。市教委の担当者も「反響が大きい」と驚いている。
28日の会見で福田紀彦市長は、「いわゆる教員不足の中で(賠償を請求するのは)どうなんだという気持ちは分かる」とした一方で、教員不足と賠償請求とは「まったく別の話」と言い切った。
福田市長は「市民に対する責任でもある。全て税金で(補てんする)となれば、関係の無い市民が負担するのか、ということになる。公務員は過失に対する責任を常に負う。襟を正し、ミスを起こさないようにしなければならない」と話した。

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