首相襲撃、容疑者に「責任能力」 鑑定留置終了 6日にも起訴見通し

岸田文雄首相の演説会場にパイプ爆弾が投げ込まれた事件で、首相らに対する殺人未遂容疑などで追送検された無職、木村隆二容疑者(24)の刑事責任能力の有無や程度を調べる3カ月余りの鑑定留置が1日、終了した。和歌山地検は鑑定結果から木村容疑者に刑事責任能力があると判断したもようで、勾留期限の6日までに適用罪名を検討し、起訴する見通し。
木村容疑者は1日午後、留置されていた大阪拘置所から和歌山県警和歌山西署に移送された。フードをかぶったマスク姿で署に入っていった。
木村容疑者はこれまでの調べに黙秘している。ただ、昨年6月に被選挙権を巡って国家賠償請求訴訟を起こしており、捜査当局は現行の選挙制度への不満が事件につながった可能性もあるとみている。起訴に向けた詰めの捜査では、演説会場にパイプ爆弾を投げ込むに至った経緯や動機についても調べる方針だ。
事件は4月15日午前に和歌山市の雑賀崎(さいかざき)漁港で発生。岸田氏の演説直前にパイプ爆弾が投げ込まれて爆発し、2人がけがをした。木村容疑者は威力業務妨害容疑で現行犯逮捕され、5月に火薬類取締法違反容疑で再逮捕。和歌山簡裁が同19日付で鑑定留置を決めた。
県警は木村容疑者の鑑定留置中、現場に残された不発のパイプ爆弾を複製して再現実験を実施し、殺傷能力を確認。8月31日、殺人未遂や公職選挙法違反など5つの容疑で追送検した。

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