コロナ検査水増し 補助金5億3000万円詐欺未遂容疑で6人逮捕

東京都が実施した新型コロナウイルスの無料検査事業で、検査件数を水増しして都から補助金をだまし取ろうとしたとして、警視庁捜査2課は7日、貿易会社「大洋商事」(東京都渋谷区)社長、上嶋大輔容疑者(40)ら6人を詐欺未遂容疑で逮捕した。
捜査2課によると、大洋商事は業務委託を受けた大阪の医療法人「華風会」名義で、都内4カ所の検査所でPCR検査や抗原検査をしていた。その際、他人の個人情報を悪用して検査書類を偽造し、2022年7~12月に計約17万件分(計約12億8000万円)の補助金を申請していたとされる。外部からの情報提供で警視庁や都が事前に不正を把握し、全額不交付となっていた。
上嶋容疑者らは知人の勤務する不動産会社の顧客名簿などを元に、実際には検査を受けていない人の検査書類を偽造して水増ししていたとみられ、検体にはスタッフのつばや水を使っていたという。捜査2課は、大半が架空の検査実績だったとみている。
逮捕容疑は22年9月中旬、8月の検査実績として水増し分を含む報告書を都に提出し、補助金約5億3000万円を詐取しようとしたとしている。捜査2課は認否を明らかにしていない。
無料検査事業は都道府県が実施主体で、事業者は届け出の上、検査件数の実績を報告。検査1件当たり、PCR検査は最大1万1500円、抗原検査は最大6000円の補助金が受けられた。【林田奈々、遠藤龍】

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