阪神優勝一夜明け 「虎党」熱狂の道頓堀 26人飛び込みも逮捕者ゼロ

プロ野球阪神タイガースが14日夜、18年ぶりにリーグ制覇を果たし、大阪・道頓堀の戎橋周辺には優勝を祝うファンらが押し寄せ、15日未明まで歓喜に沸いた。大阪府警は雑踏事故防止やトラブル警戒のため、約1300人の警察官を投入する厳戒態勢で対応。同日午前3時までに26人が道頓堀川に飛び込んだが目立ったトラブルはなく、逮捕者もゼロだった。
熱戦から一夜明けた15日朝。道頓堀の路上ではユニホームを着たファンが酔いつぶれて座り込む姿もみられた。近くでは周辺店舗の従業員がごみ拾いをし、通常の「朝の光景」を取り戻していた。
14日、優勝が決まったあの瞬間。戎橋ではユニホーム姿のファンらが一斉に大歓声を上げたり、飛び跳ねたりして喜びを爆発させ、橋が揺れた。大津市の戸出充代さん(52)は大の阪神ファンだったという父の遺影を手に駆け付けた。「もう一度、阪神が優勝するところを見たかった」と言い残して亡くなった父を思い「よかったなあ、お父ちゃん」と感慨深げに語った。
終電が過ぎた後も、道頓堀周辺では興奮冷めやらぬファンが集まり、胴上げや六甲おろしの大合唱などを断続的に行い、ジェット風船が舞う場面もあった。
「朝まで優勝を祝いたい」。周辺商店街に向かって歩いていくファンの集団もあった。
ただ、15日午前2時を過ぎると帰路につく人も目立つように。戎橋には酒の空き缶や空き瓶、お菓子の袋といったごみが散乱していたが、朝までには清掃されていた。過去の優勝時は、興奮した一部のファンが警察官に体当たりしたり、タクシーの天井で飛び跳ねたりして暴れたが、今回は過激な行動はみられなかったという。
優勝決定直後から約1時間、生ビールをふるまったカラオケ店では、ビールサーバー7樽があっという間に空になった。
店員は「瞬く間に人だかりができ、お客さんが店に入れないほどだった。ハロウィンのときに比べればおとなしいと感じたが、それでも多くの人が喜びにわいて、とんでもない騒ぎになっていた」と振り返った。(鈴木源也、倉持亮)

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