さいたま市見沼区深作2の通所介護施設「ビッグスマイルリハビリセンター」で13日、送迎用ワゴン車にはねられて利用者ら3人が死傷する事故があり、運転していた施設のアルバイト、窪島達郎容疑者(75)=同市岩槻区本町3=が、実際の年齢より7歳若くなる生年月日が記された書類を施設側に提出していたことが、施設関係者への取材で判明した。
関係者によると、窪島容疑者は約2年前に運転手として採用された際、生年月日が実際より7歳若い「昭和30年5月23日」と記載された経歴書などを提出。施設は運転手を対象に半年に1度、運転免許証のコピーなどを提出させていたが、いずれも何らかの方法で修正して同様の生年月日の書類を提出していた。
埼玉県警によると、事故は13日午後4時半ごろに施設の駐車場で発生。送迎車で施設から利用者を送るところだったとみられ、車が急発進して3人をはねたという。現場にブレーキ痕はなく、運転操作を誤ったとみられる。利用者の80代の男女2人が死亡し、施設職員の男性(43)が軽傷を負った。
県警は窪島容疑者を自動車運転処罰法違反(過失致傷)容疑で現行犯逮捕し、15日に容疑を過失致死傷に切り替えてさいたま地検に送検した。
同僚の職員は「(本人から)68歳と聞いており、なぜ年齢を偽ったのか分からず、言葉が出ない。その場で気付けなかったことが悔やまれる」と話した。【田原拓郎、安達恒太郎】
施設側「原本確認しなかったのは落ち度」
同施設を運営するリハビリテーションクリエーターズ(横浜市瀬谷区)の神山光代表取締役は取材に「実年齢が分かっていれば採用時により慎重になっただろう。免許証の原本を確認していなかったことは当社の落ち度です」と話した。