「頂き女子りりちゃん」と名乗る女が、男性の恋愛感情を利用して現金をだまし取る“パパ活マニュアル”を販売したとされる事件で、愛知県警中署は２０日、自らも男性（５０）から約２７００万円をだまし取ったとして、詐欺の疑いで住所不定、無職の渡辺真衣容疑者（２５）を再逮捕した。渡辺容疑者の口座には、男性数十人から計約１億６０００万円が振り込まれており、中署が関連を調べる。そんなパパ活の背景にあるものとは――。
中署によると、口座には１人当たり１億円超～数万円が入金されていた。渡辺容疑者は「手渡しで現金数千万円をもらった」とも供述している。総額は２億円前後に上る可能性がある。
再逮捕容疑はマッチングアプリで知り合った茨城県土浦市の団体職員男性に好意を抱かせ、「借金を払わなければ風俗店に体を売らないといけない」などとうそを言い、計約２７００万円を振り込ませた疑い。
マニュアルは「頂き女子の参考書」などと題した電子データで、１万～数万円で販売。狙う男性を「おぢ」と呼び、「おぢにお金出すよと言って頂くまでの流れ」などと書かれ、男性との関係を構築するための会話術などが記載されていた。振り込み記録などから、マニュアルを１０００人以上に販売し、計約２０００万円を売り上げたとみられることも判明した。
最近の女の子たちがパパ活で即金を得たい背景には、リアルな恋愛を捨ててまでのめり込む“推し活”がある。
男性アイドル、アニメキャラクター、コンカフェ、ホスト…推したいものはさまざまだ。実際に東京・渋谷で推し活する女性に聞いてみると――。
「推しのコンサートはチケット争奪戦になるので、複数公演に応募すると予想以上に抽選に当たることがある。グッズも欲しくなるから、飛行機やホテル代も含めると１公演で最低５万～６万円近くはかかりますね。複数公演ともなるとかなりの出費で、推し活資金をパパ活で稼いでいる仲間もいます」（２０代大学生）
また、１０代専門学校生は「アニメの推し活は“沼”です。リアルなアイドルと違って、グッズが次から次へと販売されるので、コンプリートを目指すといくらお金があっても足りない。グッズ欲しさにパパ活する子もいる」と言う。
とはいえ、安易なパパ活には危険も潜む。「飲みに行くだけ」と誘い出されて食事をしたところ、気づいたらホテルだったという女性や、わいせつ画像を送ってほしいと言われて断った結果、「パパ活してるのバラすぞ」と脅されたケースもあるといい、パパ活女子の“やましさ”を逆手に取った逆襲を受けることもあるようだ。