洋上風力発電事業を巡る汚職事件で、受託収賄容疑で逮捕された秋本 真利 ・衆院議員(48)について、東京地検特捜部は、知人の会社名義で新型コロナウイルス対策の持続化給付金200万円を国からだまし取ったとする詐欺容疑でも立件する方針を固めた。特捜部は、秋本容疑者が虚偽の申請を行い、会社が受けた給付金を管理していたとみており、27日にも受託収賄と詐欺の両罪で起訴する方針だ。
関係者によると、秋本容疑者は、知人が代表取締役に就く千葉県の再生エネルギー事業会社について、コロナ禍で売上高が減少したとする虚偽の書類を作って給付金を申請。国から200万円を詐取した疑いがもたれている。
特捜部は、秋本容疑者が給付金の申請に関して事務所スタッフらとやりとりしていたメールを入手し、事情聴取を実施。秋本容疑者が再エネ会社を自身の管理下に置いていた実態を把握したとみられる。
秋本容疑者は特捜部に対し、給付金の申請に関わったことを認めつつ、「申請手続きは事務所スタッフらが行っており、詐欺だとは思わなかった」と詐欺容疑を否定しているという。
秋本容疑者は今月7日、洋上風力発電事業を巡り、「日本風力開発」(東京)の塚脇正幸・前社長(64)から依頼を受け、国会質問で便宜を図る見返りに競走馬の購入費用などとして計約6140万円の賄賂を受け取ったとする受託収賄容疑で逮捕された。特捜部は同容疑の勾留期限である27日にも秋本容疑者を起訴し、塚脇前社長も贈賄罪で在宅起訴するとみられる。
秋本容疑者は特捜部に対し、「馬は前社長のもので、資金を自分のために使った事実はない」などと同容疑を否定。塚脇前社長は在宅での任意捜査に贈賄容疑を認めている。