「娘がいない現実がつらい。私たちの希望だった」保育園ですりおろしリンゴ食べ6か月女児死亡 父親が初めて思い語る 鹿児島

鹿児島県姶良市の保育園で、ことし、生後6か月の女の子がすりおろしたリンゴを食べたあと体調が急変し、およそ1か月後に死亡した問題です。5日、父親が初めて会見を開き、「娘がいない現実がつらい」と、悲痛な胸の内を語りました。(亡くなった女の子の父親)「とても笑顔がかわいい娘だった。抱っこしたときに笑いかけてくれるのが忘れられない。私たちの希望だった」この問題は4月18日、姶良市にある私立の認可保育園・興教寺保育園で、当時生後6か月の女の子が、おやつとしてすりおろしたリンゴを与えられたあと体調が急変。意識不明の状態で搬送され、5月28日に死亡したものです。死因は、食べ物を詰まらせて窒息したことによる多臓器不全で、気管には7ミリから8ミリの食べ物が詰まっていました。女の子が亡くなってまもなく半年を迎えるのを前に、鹿児島市で5日、父親が初めて会見を開き一人娘を亡くした気持ちを語りました。(亡くなった女の子の父親)「日々過ごしていく中で、娘がいないという現実が非常につらい。妻も『抱っこしたい』『会いたい』とふとした瞬間に言う。私も同じ気持ち」「(事故前日の)夜に妻が抱きかかえて、おやすみと言ったのが最後」「守れなくてごめんなさい」そのおよそ1か月後、女の子は入院していた病院で両親の腕の中で息を引き取ったということです。父親の横にあるのは女の子が生まれたときに記念に買って、入院中もずっと一緒だったクマのぬいぐるみです。保育園に対しては、事故発生当日と翌日に、謝罪と簡単な説明があったものの、詳しい報告はなかったとして園や市の対応の遅さを指摘しました。(亡くなった女の子の父親)「事故発生時から私たちに報告等がなかった。時間がかかりすぎている。もう少しサポートが早ければこのようなことにはなっていなかったのでは」「もう娘は亡くなっているので再発防止されたところでという話。原因究明をしてほしい」一方、保育園側は「心よりお悔やみ申し上げる。事実関係の調査・再発防止に向けた取り組みを引き続き行っていく」とコメントしています。姶良市は、原因の調査や再発防止策を検討する検証委員会を立ち上げていて、年度内には報告書をまとめる方針です。

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