今年9月に発生した台風は13号と14号の2個のみで、観測史上最少タイとなった。気象庁によると、9月は平均5個の台風が発生しており、2個にとどまったのは1951年の統計開始以来、51、73、83年に記録されており、今年は40年ぶり。
例年、9月は8月に次いで台風の発生が多く、また台風の上陸は最も多い〝台風シーズン〟だ。しかし今年は9日から29日まで台風が1つも存在していなかった。
昨年は9月に7個の台風が発生しており、前月に発生したものを含めると28日間、台風が存在していた。中でも、昨年9月14日に発生した台風14号は、過去最強クラスの勢力から「スーパー台風」と呼ばれ、全国で5人が死亡するなど大きな被害をもたらした。
過去20年間を振り返ると、9月には7個の台風発生したケースが計5回あった。統計開始までさかのぼれば、1966、67年の9月にそれぞれ9個の台風が発生している。
一方、1年間を通じての台風発生数は、2010年が14個と最も少なかった。今年はすでに14個発生しており、例年は10月以降にも複数の台風が発生するため、最少記録に並ぶ可能性は小さい。
気象庁によると10月は平年3.4個の台風が発生しており、引き続き災害への備えが必要だ。令和元年の東日本台風(台風第19号)は10月5日に発生し、死者107名、住宅の全壊(流出)が3144棟と大きな被害をもたらした。
先月30日に発生した台風14号は現在、フィリピンの東の海上を北西に進んでおり、沖縄・奄美に強風や大雨をもたらすおそれがある。