千葉県の中学校で部活動中に倒れ、亡くなった生徒に関する保護者説明会が2日に行われた。イット!が独自に入手した説明会の音声には、学校側の対応への怒りの声が記録されていた。
保護者説明会で食い違い
保護者側: まず倒れられたのが(9月)12日っていうことなんですけど、なぜ今のタイミングで保護者会なのか?
保護者側: 顧問の人から何か一言とか、そういったものはないんですか?
保護者側: その場にいない人たちが事務的な動きをしたって、みんな納得しないと思うんですけど。
学校側: 事務的ではなく、しっかりと改善につなげていく形だと思います。
語気を強めて訴える保護者の声。これは千葉・市原市の中学校で2日に行われた臨時保護者説明会の音声記録だ。
この学校では9月に、部活の練習中に男子生徒が意識を失い救急搬送され、その後亡くなった。取材を進めると、生徒が倒れた経緯をめぐり、学校側の説明と保護者が生徒から聞いた内容に大きなかい離があることがわかってきた。
生徒が倒れたのは9月12日。陸上部での中距離走の練習中のことだった。学校側の説明によると、倒れた中学2年生の男子生徒は当時 本来の練習メニューではなく、自分のペースで走る練習を、顧問が見守る中、他の部員と一緒に行っていたという。男子生徒は体調が急変し、救急搬送されたが、9月27日に帰らぬ人となった。
学校側: 練習途中に走るのをやめ、倒れ込む様子があったことから、顧問が駆け寄り、水道のところまで(生徒が)自分で移動をいたしました。
学校側は、男子生徒が体調不良を訴えた後に練習をやめさせたとしているが、保護者説明会ではこんな質問の声があがった。
保護者側: 子供から興味深い話を聞いたのですが、当該の生徒が当日1度嘔吐(おうと)した。嘔吐した後も当該の生徒さんが大丈夫だということで、再び練習で走ったというような話を聞いているんですけど。
学校側: 嘔吐したという報告は受けておりますが、嘔吐した後も練習にっていう形では、こちらは把握しておりませんでした。確認していきたいと思います。
こうした学校の説明に対し、複数の生徒たちとみられるSNSには「学校は嘘をついている」という内容の書き込みがある。
「汚いものをどうするんだ」顧問が暴言か
さらに保護者説明会では、体調不良で嘔吐して倒れた生徒に対し、顧問から耳を疑うような言葉がかけられたという声もあがった。
保護者側: 当該の生徒の嘔吐物に、「その汚いものをどうするんだ」というような発言を(顧問が)したと聞きました。
学校側: こちらはすみません、把握しておりません。もし本当であれば、これは生徒を指導する立場では絶対にあってはならないことですし、この後しっかりと確認していきたいと思います。こちらも把握してない、分かっていないことが多くて、大変貴重なご意見ありがとうございます。
生徒が倒れてから3週間。学校側は当時の状況について、顧問や職員からは聞き取りを行ったとする一方で、居合わせた生徒たちからは聞き取りを行っていないとしている。
説明会に参加した保護者らに話を聞くと、保護者だけでなく生徒たちも学校側に不信感を抱いているという。
説明会に参加した保護者A: 「今後確認をとります」という発言があったんですけど、もう2週間経っているので、それでも、何か対応できなかったんですか?という質問は結構ありました。 息子だけじゃなく、周りの子たちも納得いってないし、学校に対して不信感がすごくあるみたい。
説明会に参加した保護者B: 質疑応答に対して、じゃあ今後学校はどういう対策を取ってくれるのか、そういう話があれば、保護者の方も理解できたんですけど、それに対しての「今後対応します」という形で、具体的なことは出なかったので……。
市の教育委員会によると、倒れた後の経緯については現在 学校側が調査をしていて、今後緊急時のマニュアルの徹底と生徒の心のケアができる環境づくりをするとしている。 (「イット!」10月3日放送より)