失言でボーナス返上表明したのに…満額受け取った静岡県知事、釈明に追われる

川勝知事の給与減額条例案を巡り、静岡県議会総務委員会(西原明美委員長)は4日、知事を招いた集中審査を行った。条例案の内容などについて厳しい意見が相次ぎ、知事は釈明に追われた。県議会最大会派・自民改革会議は5日にも役員会を開き、採決態度を含めた対応を協議する方針。会派内には条例案の修正や否決を求める意見なども出ており、知事との対立は先鋭化している。
川勝知事が常任委員会に出席するのは、2015年3月以来2度目。
条例案は、知事の給与とボーナス計約440万円を今年11、12月の給与などから減額する内容。2021年に知事が自らの失言の責任を取り、県議会の辞職勧告を受けて同年の給与とボーナスの返上を表明したが、実際には満額を受け取っていたことが今年になって判明し、今議会に条例案が出された経緯がある。
この日の総務委では、自民側が審査とは別に「熱海土石流災害に関して県が検証委員会に配付した資料に疑義が生じた」として冒頭から反発を強め、午前を予定していた知事への集中審査が急きょ午後からに。自民が7月の県議会に知事不信任決議案を提出し、1票差で否決された経緯もあり、緊張感が高まった。

自民の河原崎聖委員は、減額する額の妥当性について「参考にした事例はあるのか」とただした。知事は「比較基準はなく、その当時の失態をその年に果たしたかった」と説明した。河原崎委員は「これまでに不要な混乱を招いた責任を取るべきだ」と迫ったが、知事は「責任は重く受け止め、『二度と失言しない』と誓う」と述べるにとどめた。
他の委員らからも「条例案は違法な寄付行為に当たらないか」「議会に責任転嫁させようという節がある」などと厳しい意見が相次ぎ、知事は釈明に追われた。委員会終了後、記者団の取材に応じた知事は「私のすべきことは質問に丁寧に、 真摯 にお答えすること。これからどうなるかは、私には分かりません」と語った。
西原委員長は「説明がついたこともあるが、逆に疑問が生じたこともある」と述べ、採決の取り扱いを含めて委員間で協議する方針を示した。

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