公道を走る、フロントガラスがほぼ真っ黒な車。この“違法フルスモーク車”は、韓国大使館の外交官ナンバー車両だ。周囲の安全を脅かしかねない“外交特権の闇”を取材した。
港区に現れた“違法フルスモーク車“
東京・港区にある片側1車線の道路。道幅が狭く、坂もあるため注意が必要な場所だ。そこに1台の車が現れた。
一般の車と比べると、明らかにフロントガラスが暗く、運転席が見えづらい。ナンバーを調べてみると、韓国大使館の外交官ナンバー車両であることがわかった。
日本の法律では、フロントガラスなどに光の透過率が一定基準を満たさないフィルムなどを貼ることは禁止され、取り締まりの対象となる。
取材したこの日、フロントガラスなどが非常に暗い、違法とみられる韓国大使館の車を4時間のうちに3台発見した。
韓国大使館「日本の法律に適合しないと認識せず」
こうした“フルスモーク車”は、韓国本国ではどのように扱われているのか。交通量の多いソウル中心部・光化門(クァンファムン)の交差点で信号待ちをしている車を見ると、フロントガラスから中の様子が見えない車がかなり多く見受けられた。
韓国も日本同様、フロントガラスなどの着色に基準を設けているが、実際にはほとんど取り締まりがされていないのが現状だという。街で話を聞くと「スモークガラスにしないとぎこちないし、私だけ裸でいるような感じになる」といった声も聞かれた。しかし、これらはあくまで韓国国内での話だ。
そこで取材班は、都内で黒いフロントガラスの車を運転する韓国大使館職員を直撃した。
――(車の窓ガラスを指して)黒いのわかります?ここ。
大使館職員: そうですね、わかりました。ちょっと調べてみます。ごめんなさい。
フジテレビ社会部の知野デスクは、日本の法律では裁かれない“外交特権の威光”があると指摘する。
フジテレビ社会部・知野雄介デスク: 行政や警察は臆することなく対処する必要があり、悪質な違反で従わない場合はプレートを外務省が発行しない、そういった対策が考えられる。
韓国大使館は取材に対し、一部の車にスモークを貼っていたことを認めた上で「日本の法律に適合しないことは認識しておらず、確認した時点で速やかに対応する」と回答。
また、外務省は調査を始め、韓国大使館から「法令に適合していないものがあった」と回答があったことを明らかにした。
警視庁は、「一般の方から警察署に情報提供が寄せられたことがあったが、当該車両の発見には至らなかった」などとしている。 (「イット!」10月5日放送より)