日本を代表する現代音楽作曲家の西村朗(にしむら・あきら)さんが7日、右上顎(じょうがく)がんのため東京都内の病院で亡くなった。69歳。葬儀は近親者で営んだ。喪主は妻優子(ゆうこ)さん。
1953年、大阪市生まれ。東京芸大大学院修了。学生時代からアジアの伝統音楽や宗教、宇宙などに強い関心を抱き、「ヘテロフォニー」と呼ばれる多声部を扱う技法を用いて、多数の作品を発表。日本音楽コンクール1位、エリザベート国際音楽コンクール大賞、サントリー音楽賞、毎日芸術賞、最多タイとなる6度の尾高賞などに輝き、国内外で高く評価された。2019年には石川淳の同名小説が原作のオペラ「紫苑(しおん)物語」が世界初演され、話題を集めた。
作曲活動以外には、NHKのテレビ番組「N響アワー」に09年から番組終了の12年まで司会として出演。いずみシンフォニエッタ大阪や草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルの音楽監督も務めた。東京音楽大教授として長年、後進の育成にもあたり、現在、日本音楽コンクール委員長。13年に紫綬褒章。