怒羅権初代メンバー逮捕=実行役らに指示か―池袋の強盗致傷・警視庁

東京・池袋のマンション一室に3月、5人組が押し入り、現金100万円などが奪われた事件で、警視庁捜査1課は10日、強盗致傷容疑などで、暴走族グループ「怒羅権(ドラゴン)」の初代メンバー、汪楠容疑者(51)=千葉県市川市福栄=を逮捕した。「私には全く関係ないこと」と容疑を否認しているという。
同課は実行役らに指示を出したとみて、組織的な背景がないか調べる。
逮捕容疑は3月21日午前、実行役と共謀し、豊島区東池袋のマンションの一室に侵入。中国籍の男性に暴行を加えて3週間のけがをさせ、現金計109万円とノートパソコン5台など計19点(153万円相当)を奪った疑い。
同課などによると、事件では実行役や運転役として40~50代の日本人の男5人が逮捕されている。一部は汪容疑者と地元が同じで、以前から面識があったとみられる。
ほかにモンゴル人の男3人も実行役だったとみられるが、1人は現場で反撃され死亡、残る2人は事件直後にウランバートルに向け出国した。
同課は10日、汪容疑者宅など4カ所を家宅捜索し、スマートフォンやパソコン、USBメモリーなどを押収した。
汪容疑者は中国残留孤児の2、3世らを中心に、1980年代後半に都内で結成された「怒羅権」の創設に関わったとされる。
組織窃盗事件で服役後は更生支援に取り組み、2015年からは寄付で集めた本を全国の受刑者に差し入れる活動を始めた。新聞やテレビ番組にも多数出演している。
汪容疑者が活動拠点とする団体のホームページには「(受刑者が)孤立せずに済むように支援し、より暮らしやすい社会にしていこうという思いで始めました」などとつづっていた。
[時事通信社]

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