ネット上で「祖国へ帰れ」などと差別的な書き込みをされたとして、在日コリアン3世の女性が書き込んだ男性に賠償を求めた裁判で、横浜地裁川崎支部は投稿が不当な差別で違法と認め、男性に賠償を命じました。
この裁判は2016年6月、川崎市の崔江以子さん(50)に対し、茨城県の40代の男性が自身のブログに「日本国に仇なす敵国人め。さっさと祖国へ帰れ」などと投稿し、精神的な苦痛を受けたとして、崔さんが男性に305万円の損害賠償を求めたものです。
横浜地裁川崎支部はきょうの判決で、投稿が「地域社会から排斥することを扇動する不当な差別的言動で、違法に人格権を侵害した」と認定しました。また、「投稿は不特定多数の人が閲覧でき、悪質」と指摘し、男性に194万円の支払いを命じました。
崔江以子さん「(在日外国人は)これまでの人生でどれほど、『国に帰れ』という言葉に痛めつけられてきたか。私たちは一緒に生きる仲間なのだなということを判決で示してもらったと思います」
男性の投稿は、法務局が2016年9月に人権侵害と認定したため、ブログの運営会社によって削除されました。
男性はその後も、2020年10月まで12回にわたり、SNSなどで「差別の当たり屋」「被害者ビジネス」との書き込みを繰り返していました。