児相職員が一時保護中の中学生2人を虐待 大声で怒鳴るなど 三重

三重県は16日、県北勢児童相談所(同県四日市市)で一時保護中の男子中学生2人に対し、男性職員が大声で怒鳴るなどの虐待をしたと発表した。
県によると8月12日、一時保護所で指示に従わず騒いでいた中学生2人を男性職員が居室に誘導しようとした。しかし2人はなかなか言うことを聞かず、1人が職員を振り払おうとして手が職員に当たったり、職員の手をつかんだりしたため、職員が中学生に対して至近距離で「何たたいとんのや」「何つかんでんのや」と大声で怒鳴った。
その後、居室に戻りベッドに座ったもう1人の中学生に職員が詰め寄り、顔の近くで「黙れよ。邪魔すんなよ」と大声で怒鳴った。その際に職員の額が中学生の頭に2回当たったという。
居合わせた別の職員からの報告で発覚した。県は8月18日~9月26日に外部の弁護士や社会福祉士も含めて職員や中学生に対する聞き取りを実施。県は10月13日付で、中学生2人の至近距離で大声で怒鳴った行為を心理的虐待、中学生の頭に職員の額が当たったことを「外傷を生じさせる恐れのある行為」として身体的虐待と認定した。
男性職員は聞き取りに対して「指示に従わなかったのでヒートアップした。感情的になり、子どもに怖い思いをさせて申し訳ない」と話しているという。職員は現在、一時保護とは関わらない別の部署に異動している。処分については県が今後検討する。
県児童相談センターの中沢和哉所長は「虐待などを受けた児童を保護する児相で、あってはならないことだ」と謝罪した。県は今後、原因などを分析して年内にも再発防止策を講じるとしている。【寺原多恵子】

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