栃木・レンタカーの女性遺体 容疑者とはSNSで知り合ったか

栃木県上三川町でレンタカーの後部座席から女性の遺体が見つかった事件で、女性は千葉県に住む高校生(15)とみられることが、捜査関係者への取材で明らかになった。20日に実施された司法解剖の結果、死因は首を圧迫されたことによる窒息死で、死後2日前後が経過していた。栃木県警捜査1課などは19日、このレンタカーに乗っていた埼玉県熊谷市拾六間、無職、安栖(やすずみ)達也容疑者(28)を死体遺棄容疑で逮捕した。死亡の経緯についても事情を知っているとみて殺人容疑も視野に調べている。
遺体は19日未明、パトロール中の警察官が安栖容疑者に職務質問したことで見つかった。後部座席に横たわった状態で全身に布が掛けられていた。安栖容疑者はその場で現行犯逮捕された。
捜査関係者によると、安栖容疑者の手にはひっかき傷のようなものがあり、女性の首にも同様の外傷があった。2人はネット交流サービス(SNS)を通じて知り合った可能性があるという。レンタカーは宇都宮市内で借りられていた。
女性は遺体で見つかった際、白いブラウスに紺色のVネックセーター、緑色のプリーツスカート、紺色の靴下を身に着けていた。制服のような服装で、車内から女性のものとみられる黒いローファーも見つかった。スーツケースもあった。
安栖容疑者の逮捕容疑は19日午前3時15分ごろ、栃木県上三川町坂上の路上で、レンタカーに遺体を遺棄したとしている。現場はJR宇都宮線自治医大駅から東に約6キロの田園地帯にあり、安栖容疑者の自宅からは約60キロ離れている。
その自宅近くの住民からは「素直な子だと思っていた」「静かな地域なのにショック」などと驚きの声が上がった。
近隣住民によると、安栖容疑者は父母や祖母と暮らしていたとみられる。近くの90代女性は今年の春先、朝のゴミ出しの時に安栖容疑者に会ったといい、「おはようさん。これから仕事?」と声をかけると「仕事辞めたんです。探さなきゃ」と話していたという。
近所で車を運転する姿を見たことはないといい、「女性と一緒にいた記憶もない」と首をかしげた。
中学3年時に同じクラスで、同じ卓球部だったという男性は「学校にはきちんと来ていた。特段暗くもなく、ヤンチャでもない。普通だった。キレたところも見たことはない」と話した。【今里茉莉奈、鴨田玲奈、田原拓郎、長沼辰哉】

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