日本大学のアメリカンフットボール部の寮で大麻などが見つかった事件を巡り、日大の学内会議で今年9月、アメフト部員10人前後が大麻所持に関連し、警視庁に事情を聞かれていると報告されていたことがわかった。日大は当初、事件を「個人の犯罪」としていたが、その後の学内調査で複数人の関与の疑いを把握していた。
日大関係者によると、学内会議は、警視庁が8月22日、アメフト部の寮(東京都中野区)に2回目の捜索を行った後の9月中旬、日大本部で開かれた。日大の役員や幹部職員らが出席した。会議では、警視庁から任意で聴取を受けた部員らへの聞き取り結果などが報告されたという。
日大によると、アメフト部寮で薬物使用が疑われるとの情報は、2022年10月、保護者から寄せられた。翌11月には部員1人が「大麻と思われるものを吸った」と自己申告もしている。
今年7月6日、日大はアメフト部寮を調査し、植物片などを発見したが、大学本部で保管し、警察には12日後の7月18日まで伝えなかった。8月5日、警視庁が1人目の部員を逮捕。日大は「個人の犯罪」との見解を示し、同10日にアメフト部全体の無期限活動停止処分を解除した。しかし、警視庁が同22日、寮を再度捜索したことをうけ、日大は同31日に寮を閉鎖、9月1日に再度の活動停止としていた。警視庁は10月16日、麻薬特例法違反容疑で2人目の部員を逮捕した。