臨時国会が20日、召集されました。物価高対策や急きょ打ち出された所得税の減税をめぐる論戦が始まります。佐藤正樹記者が中継。
このタイミングで減税を打ち出した理由について、首相周辺は「臨時国会では物価高対策、中でも所得減税を目玉にするというメッセージだ」と話しています。
岸田首相は物価高対策になる経済対策を打ち出し、裏づけとなる補正予算案の速やかな成立を図る方針です。また、20日夕方、期限付きの所得税減税を検討するよう与党に指示します。
ただ、所得税減税をめぐっては、岸田首相の側近議員からも「防衛増税と言っているのに、所得税を減税するのは説明がつかないのではないか」との指摘が出ています。さらに別の閣僚経験者からも「増税と減税を一緒にやったことはかつてないだろう」との声があがるなど、与党内からも否定的な声が聞かれています。
立憲民主党・泉代表「たまりにたまった国民からいただいた思い、苦しみ、痛みを、ぜひこの国会で皆さんと一緒にぶつけたいと」
一方、野党側も「増税」と「減税」の整合性を追及し、「『減税』より『給付』のほうが物価高対策には効果がある」などと主張する方針です。
肝いりで打ち出した所得税減税をめぐって身内からも疑問視されるなど、首相の政権運営が問われる、厳しい国会になりそうです。