渋谷暴動、中核派の大坂被告に無期懲役を求刑…「『殺せ、殺せ』と声を張り上げていた」供述も

1971年11月の「渋谷暴動」で、殺人など五つの罪に問われた中核派活動家・大坂正明被告(74)の公判が19日、東京地裁(高橋康明裁判長)であり、検察側は「他に類を見ないほど残虐な犯行だ」として無期懲役を求刑した。無罪を主張している弁護側の最終弁論は26日に行われる予定。
起訴状では、大坂被告は71年11月14日、デモ隊の学生らと共謀し、東京都渋谷区の路上で、機動隊員として警備をしていた新潟県警の中村恒雄警部補(当時21歳、殉職後2階級特進)の頭を鉄パイプや竹ざおで殴ったり、火炎瓶を投げつけて火を付けたりして殺害したなどとしている。
検察側は論告で、事件に関与したとして実刑判決が確定した男が捜査段階で「大坂被告が『殺せ、殺せ』と声を張り上げていた」などと供述し、今回の公判でも「大坂被告が機動隊員を殴っているのを見た」と証言したと指摘。大坂被告の関与は明らかだと主張し、「無抵抗の警察官を生きたまま焼き殺した非人道的なリンチ殺人だ」と非難した。
さらに、学生活動家の指導的立場の一人だった大坂被告がデモ隊に指示を出し、機動隊員に攻撃を加えたとして、「大衆を扇動して大規模な破壊活動を行っており、事件で果たした役割は極めて大きい」と言及。犯行後は2017年の逮捕まで約46年間にわたり逃亡を続けるなど、反省の態度も全くないと批判した。
大坂被告は昨年10月の初公判で「無実であり、無罪です」と起訴事実を否認し、弁護側は「実行行為の現場にいなかった」と訴えていた。

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