自民党安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティーを巡る事件で、東京地検特捜部が西村康稔前経済産業相を任意で事情聴取していたことが30日、関係者への取材で分かった。現在の中枢幹部計6人が聴取されたことになる。派内の実務を取り仕切る事務総長を経験した下村博文元文部科学相を聴取したことも判明。西村氏は安倍派の実力者「5人組」の一人で、他は松野博一前官房長官、高木毅前国対委員長、世耕弘成前参院幹事長、萩生田光一前政調会長。安倍派座長の塩谷立元文科相も聴取された。
安倍派では2022年、パーティー券の販売ノルマを超えた議員側への還流を取りやめる方針が示されたが後に撤回。特捜部は中枢幹部らへの聴取で、一連の経緯への関与を調べている。
特捜部は政治資金規正法違反(不記載など)の疑いで、派閥の会計責任者の立件を検討している。幹部らへの聴取内容を踏まえ、会計責任者との共謀の有無を判断する。
関係者によると、幹部らはいずれも、還流分が政治資金収支報告書に記載されていなかったことについて「知らなかった」と説明しているとみられる。