イット!のカメラは、東京・上野で外国人観光客の現金をだまし取る、“ニセ僧侶”の姿を捉えた。
目の前に現れた2人の“ニセ僧侶”。もう1人は隠れるように外国人に話しかけている。何者なのか。 取材スタッフ: 僧侶? ニセ僧侶の女: デマ、デマ!
取材スタッフ: ニセ僧侶は、あなたですよね? ニセ僧侶の女: …。
怪しげな“お札”と“数珠”を売りつける被害
取材班が向かったのは、東京・台東区にある「上野東照宮」。多くの外国人観光客も訪れる人気の観光地だが、7月下旬ごろから、“ニセ僧侶”が出没するようになったという。
神社の関係者の情報によると、ニセ僧侶は、オレンジ色の法衣姿で白い帽子をかぶった、アジア系の男。
売っていたのは、金色に輝く怪しげな“お札”と“数珠”で、「これを買えば、上野東照宮を修理するための寄付になる」と嘘の説明をし、外国人観光客から1万円をだまし取ったという。
上野東照宮 禰宜 嵯峨まきさん: 神社の名前も使っている詐欺ですから、非常に腹立たしく思いますね。
そして、ニセ僧侶がカメラの前に姿を現した。オレンジ色の法衣姿で、白い帽子をかぶっている。物陰で外国人観光客に声を掛け、お金を受け取った。
外国人観光客は、本物の僧侶だと信じていた。 外国人観光客: 彼は僧侶だよ。彼からこれを買ったんだ。 その手には、ニセ僧侶から売りつけられた、金色のお札と数珠があった。
被害にあった外国人観光客に、ニセ者の僧侶であると伝えると…。 外国人観光客: ニセ者?これ全部?詐欺?まんまとだまされた…。
ニセ僧侶は複数!?直撃取材に“逃走”
さらに取材を続けると、ニセ僧侶は一人ではなく、複数いることが明らかになった。
この日、外国人観光客に話しかけていたのは紺色の法衣姿の女だが、すぐそばにはもう一人の女の姿もあった。
ニセ僧侶は仲間2・3人でグループを作り、実行役と見張り役に分かれて、数珠などを売りつけていたとみられる。
一体何者なのか、私たちはニセ僧侶に直撃取材を行った。 取材スタッフ: どこから来たんですか?中国人? ニセ僧侶の女: ノー。 取材スタッフ: タイ? ニセ僧侶の女: うん。
タイから来たと答えた女。さらに、日本語でこう続ける。 ニセ僧侶の女: ちょっと分かんない、日本に住んでない…。
さらに話を聞こうとするも、都内の駅に逃げこむ。その後トイレに入り、法衣から私服に着替えて姿をくらませた。上野東照宮は境内の見回りを行うとともに、注意を呼びかけている。
旅行者のすきをついた悪質な手口
宮司愛海キャスター: 外国人旅行者の方を対象としていれば、なかなか被害届を出すということには至らないわけですよね。そういうところ、すきを突いたような手口に見える。たちが悪いなという気がしますね。
古市憲寿氏: 見極めが難しいと思って。僕も昔、中国にいた時、お寺行くじゃないですか。そこで僧侶の方がいて占いとかしてくれたんですけど、その人が本当にお寺の方なのか、修行中で全国を回っている人なのか、そうじゃない詐欺師みたいな人なのか。特に旅行者はわかりにくいじゃないですか。この姿を見て、日本の方だったら多分「この僧侶、多分違うんだろうな」と見た目だけでも分かりますけど、旅行者って見分けつきにくいと思うので。悪質だなとは思いますね。 榎並大二郎キャスター: だまされちゃってた、外国の方もすごい人が良さそうでした。
(「イット!」8月28日放送より)