ジャニーズ事務所のジャニー喜多川前社長による性加害問題を巡り、同事務所が設置した「再発防止特別チーム」(座長・林真琴前検事総長)が29日、東京都内で記者会見を開いた。
会見ではこの日、同事務所に提出したガバナンス上の問題点の把握及び再発防止策の策定・提言に関する調査についての調査報告書について説明した。21人の被害者からヒアリングを行い、ジャニー前社長の性加害を「事実」と認定。「古くは1950年代に性加害を行っていたことが認められた」「ジャニーズ事務所では1970年代前半から2010年代半ばまでの長期間、多数のジャニーズJr.に対し広範に性加害を繰り返していたと認められた」とした。
同事務所の対応について「週刊文春の特集とそれに関する裁判、暴露本の出版、BBCからの取材要請等があったが、ジャニー氏の性加害の事実を調査するなどの適切な対応をしなかったことが認められた」と指摘。
原因については「根本的な原因はジャニー氏の性嗜好異常」「メリー氏が徹底的に隠ぺいを図った」「ジャニーズ事務所が見て見ぬふりに終始した」「拒めば不利になるという被害者の心理につけこんだ」と説明、その背景として同族経営の弊害やジャニーズJr.のずさんな管理体制、ガバナンスの脆弱性、マスメディアの沈黙、業界の問題を指摘した。
そして再発防止策について、同事務所に対して「組織としてジャニー氏の性加害が事実であることを認め、真摯に謝罪することが不可欠。すみやかに被害者と対話を開始してその救済に乗り出すべきである」と提言。「謝罪と救済なくしては事務所が再生することは難しい」とし、「被害者救済措置制度」の構築を求めた。また、藤島ジュリー景子社長については「取締役就任時には性加害の疑惑を認識していた」とし、「解体的出直しをするために辞任すべき」と求めた。
特別チームは今年5月に設置され、前検事総長で弁護士の林氏、精神科医の飛鳥井望氏、臨床心理士の齋藤梓氏の3人で構成される。