ガーシー被告初公判 (4完)暴露動画で「ファン2千人退会」 綾野さんの事務所会長

《暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)などの罪に問われた元参院議員のガーシーこと東谷義和被告(51)の初公判は、開廷から1時間が経過した午後2時半ごろも検察側による証拠調べが続いた》
《被告は昨年7月ごろに自身のユーチューブチャンネルが凍結されると、その後、動画配信サイトを開設。約2万人が参加していたという》
《続いて被告の妹の供述調書が読み上げられる。検察側は、動画の収益の受け取りには、被告名義の口座と妹名義の口座が使われていたと指摘。複数回に分けて入金があったという》
《また、被告は昨年8月に著書『死なばもろとも』を発売。この出版の印税として、本人口座に962万円が振り込まれていたという。加えて、参院議員の給料や文書交通費も入金されていた。国会議員として振り込まれたこうした費用は、計1千万円超に上った》
《続いて検察側は、俳優の綾野剛さんの供述調書を読み上げた。綾野さんが被害に至る経緯などを説明したものだ》
検察官「CMスポンサーを打ち切られたり、冷たい目で見られたりして、精神が崩壊する寸前でした」
検察官「マネジャーも冷たい目で見られ、身が引き裂かれる思いでした」
《警視庁に告訴状を提出した綾野さんだったが、被告の発言はエスカレートしたという》
検察官「被告は自己中心的で狂っていると思いました。なぜ苦しまなくてはいけないのか、怒りが沸き上がってきました」
《続けて被害に遭ったジュエリーデザイナーの男性の供述調書も読み上げられた。男性も警視庁に告訴状を提出したが、その事実を知ると被告は「よう考えろ、カス、お前」などと発言したという》
検察官「告訴したことで、友人たちにも迷惑がかかるのではないかと考えた」
《さらに綾野さんの所属事務所の会長の供述調書も読み上げられた。会長は綾野さんの紹介で平成27年に被告と出会ったという》
検察官「被告は腰が低く、好印象だった。ユーチューバーになり参院議員になるなんて、夢にも思わなかった」
《会長は、タレントに女性をアテンドする被告を「必要な存在」と認識していたという。だが、被告が暴露を始め、綾野さんや事務所は損害を受ける》
検察官「(綾野)剛の表情から、憔悴(しょうすい)しきっていることが分かりました」
検察官「剛の広告出演契約は5千万円だったが、1500万円を返却することになりました。ファンクラブは2千名程度が退会しました」
《被告の行為によって、事務所には1億円以上の損害が生じたという。会長は被告への憤りをあらわにした》
検察官「今まで感じたことのない怒りを感じている。危険かつ悪質な行為であることを自覚してほしい」
《その後、綾野さんのマネジャーや、被告の動画に出演して綾野さんからの「被害」を訴えた女性の供述調書が読み上げられた。女性は動画に出演する際に「台本のようなものを渡された」と説明したという》
《この日の公判は午後2時55分に閉廷。被告は裁判長に一礼し、法廷を後にした。10月30日に行われる第2回公判では、弁護側の立証が行われる予定だ》
=(完)

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