クローンマウス作製に初めて成功…柳町隆造・米ハワイ大名誉教授が死去、95歳

米ハワイ大によると、世界で初めてクローンマウスを誕生させることに成功した同大名誉教授の柳町隆造(やなぎまち・りゅうぞう)さんが27日、死去した。95歳だった。
北海道江別市生まれ。北海道大理学部を卒業後、米ウースター実験生物学研究所研究員やハワイ大医学部助教授などを経て1974年、同大教授に就いた。
同研究所にいた60年代、体内でしか受精する能力がないと考えられてきた精子が、試験管内で受精できることをハムスターの実験で証明。98年、哺乳類で最も難しいとされた体細胞クローンのマウスを作り出したと発表し、世界を驚かせた。
柳町氏の研究は、卵子の細胞内に精子を直接注入する顕微授精や、凍結乾燥した精子で受精させる技術につながり、不妊治療や家畜の繁殖技術を発展させる基礎を築いた。これらの成果で、96年に生物学で優れた業績を上げた研究者を表彰する「国際生物学賞」を受賞した。
2001年には、米科学アカデミー会員に選出された。今年6月には、科学や文明の発展に貢献した人に贈られる「第38回京都賞」(稲盛財団主催)に選ばれたばかりだった。

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