「菌」付けで呼ぶいじめ、加害児童の親らに88万円の賠償命令…被害者は今も難聴に苦しむ

静岡市立小で2017年に受けたいじめが原因で適応障害になったとして、当時の男子児童が市と加害児童ら計21人に対し計約2000万円の損害賠償を求めた訴訟で、静岡地裁(菊池絵理裁判長)は12日、一部のいじめ行為を認定し、加害児童6人の保護者ら計10人に計88万円の支払いを命じた。市や校長などへの請求は棄却した。
判決では、小学5年だった男児が17年11月頃、複数の児童から名前の後ろに「菌」をつけて呼ばれるいじめを受けたと認定し、「精神的苦痛は相当大きなものであった」とした。適応障害との因果関係は認めなかった。馬乗りになって暴行を受けたなどの行為もあったが、遊びの認識だったなどとして違法行為と認めなかった。
市や当時の担任などについては、いじめを予見することはできなかったとして、請求を退けた。
原告側は判決後に記者会見し、控訴する考えを示した。男児は高校生になったが、現在も適応障害の治療を続け、難聴や味覚障害に苦しんでいるという。「6年たっても症状は改善されない。(適応障害との因果関係や暴力行為を)受け入れてもらえず、残念な気持ちでいっぱい。納得いくまで闘いたい」と語った。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする