24日午前5時半ごろ、東京都豊島区の池袋駅東口交番前の歩道で、男性が警察官に向かって包丁を突きつけたり、振り回したりする騒ぎがあった。男性は警察官に取り押さえられ、銃刀法違反と公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕された。警視庁池袋署によると、無職の43歳とみられ「死にたかった。警官に包丁を向ければ(拳銃で)撃ち殺してくれると思った」と供述している。
交番前まで徒歩で訪れ、立っていた女性警察官に「すみません」と声をかけて、リュックサックから取り出した包丁(刃渡り約15センチ)を突きつけた。
すぐに交番内にいた警察官ら6人が盾や棒を手に取り囲んだが、数分間、包丁を振りかざして抵抗した。警察官に向かって「(拳銃で)撃ってください」と声を上げる場面もあったという。
現場はJR池袋駅前の東口交差点の歩道。通行人らへの被害はなく、けが人もなかった。
緊迫の場面 撮影者の男性「怖かった」
交番近くで撮影された映像には、緊迫した様子が収められていた。拳銃や盾、警棒を持った5人ほどの警察官が、刃物を手に動き回る黒いシャツと短パン姿の男性に対し、「動くな!」「捨てろ!」などと声を上げながら取り囲んだ。
男性は「お願いします」などと叫び、刃物を構えたり、警察官に手招きしたりして、挑発するような仕草を繰り返していた。
この動画を撮影した会社員の男性(33)が毎日新聞の電話取材に応じ、当時の様子を振り返った。
「高速バスを降りて池袋駅に歩いて向かっていたところ、『わー』と叫ぶ男の声が聞こえ、騒ぎに気付きました。周辺は時間帯的に静かで、通行人は4、5人。拳銃も見えたので、もみ合いになって暴発などしたら怖いと思いました」【春増翔太、菅野蘭】