島根県大田市にある農場で乳牛を蹴るなどの暴行を加えたとして、動物愛護法違反の罪に問われたフィリピン国籍で元従業員ヘリ・アルジョン・マルチザナ被告(26)の初公判が4日、松江地裁(今井輝幸裁判官)で開かれた。被告は起訴内容を認め、検察側は罰金20万円を求刑。弁護側は執行猶予付きの判決を求め、即日結審した。判決は22日。
被告は被告人質問で「牛に胸あたりを蹴られ、とても痛かった。あまりの怒りで何も考えず、TikTok(ティックトック)にのせた」と述べ、泣きながら土下座して謝罪した。
検察側は論告で「牛から蹴られたからといって暴行を加えてよい理由にはならない。動物虐待等防止への社会的要請も高まっている」と指摘。弁護側は最終弁論で「結果が軽微で、社会的制裁も受けている」と情状酌量を求めた。
起訴状などによると、被告は農場の乳牛に対して、鼻や首の付近を足で蹴るなど暴行したとされる。虐待の様子を交流サイト(SNS)に動画で投稿し、拡散された。