大規模な土砂崩れなどで甚大な被害をうけ、37人が犠牲になった北海道厚真町。
5年を迎えたマチは鎮魂の祈りに包まれています。
地震が発生した午前3時7分。
厚真町役場の前には、犠牲者の数と同じ37本のローソクに火がともされました。
ローソクには「つなぐ」「次世代につたえていく」といったメッセージが。
役場の職員らが祈りを捧げました。
(北本アナウンサー)「厚真町吉野地区の献花台に手を合わせる人の姿があります」
同じころ、土砂崩れにより19人が亡くなった厚真町吉野地区の献花台では、町民が花を手向けました。
(厚真町民)「(ここまでの5年間は)僕にとってはとても長かった。一番無念だったのは亡くなられた方ですし、僕としても友人を亡くしましたので。(9月6日は)永遠の日ですね」
2018年9月6日の胆振東部地震では、震源地の厚真町で震度7を観測。
大規模な土砂崩れが発生し、崩れ落ちた土砂が穏やかな暮らしを一瞬にして飲み込みました。
(宮永キャスター)「厚真町内で最も被害の大きかった吉野地区です。土砂崩れのあった斜面の復旧工事が終わり、田畑もすっかり元の姿を取り戻しています。吉野地区には復興のシンボルとしてサクラの苗木が植えられています。力強く歩んでいこうというマチのシンボルです」
そして正午。
町内にサイレンが鳴り響くなか、役場近くにある慰霊碑の前では、宮坂町長や町の職員が黙とうを捧げ、献花台に花を手向けました。
なかには甥2人を亡くし苫小牧から献花に訪れた人も・・・
(甥2人を亡くした人)「ああもう5年も経ったんだな、そのあと来年になれば6年経ったんだなという感じで日々過ぎていくのかな。忘れたわけじゃないんですけど、そればかり考えていてもどうにもならない」
37人が犠牲となったマチは、復旧から復興へと歩みを進めています。