令和元年の京都アニメーション放火殺人事件で殺人などの罪に問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判は7日、京都地裁で被告人質問が行われ、青葉被告が自身の生い立ちを振り返り、幼少期の両親の離婚やその後の困窮生活、父からの虐待について語った。
法廷でのやり取りなどによると、青葉被告は埼玉・浦和出身。両親と兄、妹との5人暮らしだった。当時父はトラックの運転手として生計を立て、経済状況は「普通。中の下くらいだった」という。家族でディズニーランドに行き、軽井沢に旅行したときは、父がマイクロバスを借りてきてくれた。
兄とはファミコンで遊んだ。「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」といった人気タイトル。「兄貴が遊んで自分は見ていました」と述べた。
被告が小学3年のとき両親が離婚。兄、妹とともに父に引き取られた。父はその後、糖尿病を患い、無職に。中学生のころには一家は困窮し、生活保護を受給した。「食べていくにも困ったことがあった」と話した。
「1円単位」で食費を気にする生活だった。あるときスーパーで1個50円の冷やし中華を買いに行ったとき、1個47円のインスタントのみそラーメンを見つけた。青葉被告が父に報告すると「50円だと千円で20個、47円だと21個だ」と言われ、みそラーメンにした。「1個増えたのを家族で喜んでいました」
父からは正座させられたり、ほうきでたたかれたりといった虐待を受けた。だが成長して青葉被告の体が大きくなると、父からの暴力はなくなったという。