文化庁は7日、宗教法人法に基づく質問権行使に対する対応が回答拒否にあたるとして世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に過料を科すよう求め東京地裁に通知を発送したと発表した。質問権行使を巡る過料通知は初めて。
宗教法人法では、質問権行使に対する回答拒否や虚偽回答があれば、宗教法人の代表役員に10万円以下の過料を科すと規定。教団側からは500項目以上に及ぶ質問の約2割100項目以上で回答がなく、質問権行使に対する悪質な違反行為と判断した。
過料通知に対する決定に不服があれば最高裁まで争うことができる。教団側は「徹底的に争う」としており、過料手続きは長期化も想定される。ただ、文化庁は過料に関する裁判所の決定が確定していない段階でも、要件がそろえば教団に対する解散命令請求に踏み切るとしている。
文化庁は昨年11月以降、教団の解散命令請求の可否を判断するため、計7回質問権を行使。組織運営や財産・収支、高額献金を巡る被害者対応などに関し調査を重ねてきた。質問権行使に対する回答は乏しかったものの、献金被害者への聞き取りなどを通じて教団の実態把握を進めている。
宗教法人法では、所轄庁の文部科学相や都道府県知事の調査権限として質問権を規定。「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」などの疑いがある場合、宗教法人幹部らに質問できる。