名古屋地検は8日、名古屋刑務所に収容中の受刑者に暴行したなどとして、特別公務員暴行陵虐容疑などで書類送検されていた元刑務官ら13人全員を起訴猶予処分とした。山中一弘次席検事は処分理由について「証拠と法に基づき、犯罪の軽重、情状、犯罪後の状況などといった諸般の事情を考慮した」と説明した。
名古屋刑務所が捜査し、今年4月に1人を特別公務員暴行陵虐致傷容疑などで、12人を特別公務員暴行陵虐容疑で書類送検していた。
昨年8月、受刑者が左目付近をけがしていることが確認され、刑務官の暴行があったと申告。法務省などの調査の結果、2021年11月~昨年9月、刑務官22人がけがをした受刑者ら3人に対し、顔をたたいたり、暴言を吐いたりしたことなどが判明した。法務省は、刑務官や上司ら33人を懲戒処分や厳重注意などにした。
同刑務所の中田学司所長は「改めて被害者をはじめ関係する皆さまにおわびする。失った信頼回復に向け、職員一同、全力で努める」とのコメントを出した。