日大アメフト部寮を再び家宅捜索…大学側の虚偽説明と事後報告で疑われる“底なし薬物汚染”

「複数の部員が寮で大麻を使っていた」
今月5日、大麻取締法違反などの疑いで逮捕された日大アメフト部の北畠成文容疑者(21)は調べに対し、こう供述。これを受け、警視庁薬物銃器対策課は22日、複数の部員が違法薬物を所持した疑いがあるとみて、今月3日に続き、東京都中野区にあるアメフト部の寮を家宅捜索した。
「前回は北畠の部屋周辺のガサだったので、今回は範囲を広げて捜索した。日大は北畠の単独使用だとしているが、警察は複数の証言から寮の仲間が複数人で使用していたとみているようです。さらに、薬物汚染はアメフト部だけにとどまらず、他の運動部の寮でも蔓延しているという情報もある。
薬物汚染は大学全体に広がっている可能性があります。警察がもっと早い段階で強制捜査に着手していれば、他にも薬物が見つかり、入手ルートなど、実態が明らかになったかもしれない。警察は日大の一連の対応に不満と不信感を抱いているようです」(捜査事情通)
先延ばしの間に証拠隠滅も可能
「アメフト部の寮内で部員が大麻を吸っている」
こんな情報が警視庁に寄せられたのは、今年6月のこと。警視庁は6月30日と7月6日の2回にわたり、日大に対応を要請したが、日大サイドが「学内で徹底調査をさせてほしい」と申し出たため、大学側に一任。
ところが、いつまで経っても日大から報告がなく、シビレを切らした警視庁は7月18日午前、「調査の中間報告をしてほしい」と電話で催促。同日夜になってようやく、同大から「7月6日に寮内で所持品検査をし、薬物とみられるものが見つかった」と「事後報告」があった。
澤田康広副学長は7月6日に寮で薬物を発見した際、「大麻のカスかもしれない」と認識しながら、警察に通報せずに違法薬物をそのまま12日間、保管していた。通報しなかった理由について、警視庁から「犯罪事実が認められたら、自首させてほしい」と言われていたと説明したが、警視庁幹部は「そんなことを言うわけがない」と不快感を示している。
事態を重く見た文科省は日大に対し、検証委員会を設置して警察への通報が遅れた経緯を調べるよう要請している。
「澤田副学長は昨年11月、大麻使用を申告したアメフト部員を処分しなかったことについて、警察関係者から『事実の立証が難しい』と言われたからと説明していた。澤田副学長が相談していた警察関係者というのは、薬物担当者ではなく、ただの日大OBの警察官だった。
しかも、そのOBは『そんなことは言っていない』と副学長の発言を否定しています。警視庁から情報提供があった段階で、なぜ捜査を任せなかったのか。何かを隠さなければならない事情でもあったのか」(捜査関係者)
大麻は、本人や周囲が「使用した」と正直に申し出ても、所持していない限り、罪には問われない。大学側がモタモタしている間に証拠が隠滅されていたとしたら、大問題だ。

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