山にセンサー埋設 土砂崩れを事前検知、避難へ 佐賀で実証実験

土砂災害の前兆を検知しようと、佐賀県と佐賀大学が佐賀市大和町で地中埋設センサーを活用した実証実験を進めている。検知した情報をインターネットで住民に周知する仕組みを作り、早期の避難に役立てたい考えだ。
実証実験は同大農学部の宮本英揮准教授を中心に計画。松梅小中一貫校北側の山の斜面にセンサーを設置し、付近の平地に設置した観測システムにデータを送る仕組みで、7月下旬に実験を始めた。
宮本准教授によると、センサーで地中の水分量や土壌のずれやひずみを感知。それらのデータを収集した観測システムが、土壌の急激な変化を捉えることで土砂崩れの前兆を検知する。
土砂災害の危険性が高い斜面ごとに設置すれば、気象庁が発表する土砂災害警戒情報よりもピンポイントで状況が把握でき、住民の早期避難への利用が期待できる。ただし、まだ通信や電源の確保に課題があるという。
県は2022年度から佐賀大学との連携事業として取り組み、2年間で800万円を支援。問題点がクリアできれば、県内の土砂災害危険区域などへの活用を検討していきたい考えだ。
11日に山口祥義知事が現地を視察し、宮本准教授から説明を受けた。山口知事は「同じ地区でもどこで土砂災害が起こるかは(探知が)難しい課題。実用化されれば画期的なシステムになると期待感を持てた」と述べた。【五十嵐隆浩】

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする