木原誠二氏は幹事長代理の見通し…8月に官房副長官の退任申し出

13日の内閣改造では、岸田首相の最側近である木原誠二衆院議員が官房副長官を退いた。木原氏は8月中旬に改造に合わせた退任を申し出て、首相が最終的に了承した。近く自民党幹事長代理に就く見通しで、党総裁である首相を懐刀として支える構図は続きそうだ。
木原氏が交代の考えを首相に伝えたのは、8月18日の日米韓首脳会談に出席するため、米国を訪問した際の政府専用機内だった。
当時、木原氏は、自らに関わる週刊文春の報道が続く中、家族への影響が拡大するのを懸念していた。ただ、首相は「続けてほしい」といったん引き留めた。
木原氏は財務官僚出身で、首相が外相や自民党政調会長時代から、外務副大臣や政調事務局長として支え、今も岸田派の事務局長を務める。2021年9月の党総裁選では公約や戦略作りの中心を担い、勝利に貢献した。
岸田内閣が同年10月に発足すると、官房副長官に就任した。与党や国会との連絡役に加え、内政や外交の政策全般、日銀総裁などの重要人事を調整してきた。公明党の支持母体・創価学会との交渉窓口ともなり、「木原氏が事実上の官房長官」(自民ベテラン)と見る向きもあった。
首相が木原氏を慰留したのも、「首相官邸から去られるのは政権運営にとって痛手だ」との思いがあったとみられる。
ただ、木原氏の意向はその後も変わらず、首相は結局、今月初めに退任を受け入れた。
関係者によると、インドネシア、インド訪問を終え、11日朝に帰国する政府専用機内で、「党とのパイプ役になってほしい」と木原氏に求めたという。
今後、木原氏は首相の意を受け、党側から影響力を行使するとみられ、自民内には「首相の黒子としてむしろ動きやすくなった」と警戒する声もある。
木原氏を巡っては、野党から「自らの報道について説明責任を十分果たさず、政府内から逃げた」(立憲民主党幹部)との批判も出ている。

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