新内閣に望むこと 福島の漁師「せめて処理水の風評被害を防いで」

東京電力福島第1原発にたまる処理水の海洋放出が8月24日に始まった福島県では、新しい内閣に風評被害防止を望む声が上がった。
同県いわき市で底引き網漁を営む芳賀文夫さん(71)は、野村哲郎前農相の「汚染水」発言に憤っている。「『汚染水』では誤解を生むから『処理水』と呼ぶべきだと言う声は、もともと福島の漁業者たちから上がった。口を滑らせたのだろうが、福島の漁業者のことなど考えていなかったと思うと心外だ」
処理水の放出をめぐる国や東電の説明会は30回以上出席し、「結局は国の決めた通りになるんだな」と痛感した。「もう最後は疲れちゃったよ」とも言う。
新しい農相に対しては「せめて風評被害が起きないよう、福島の魚が安全でおいしいことをどんどんPRしてほしい。期待するのはその点くらいだ」と話した。【柿沼秀行】

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