理想と実際の睡眠時間に差があると…「うつ」増加傾向、過労死白書の原案判明

政府の2023年版「過労死等防止対策白書」の原案が判明した。就業者の睡眠時間とうつ病などの関係について初めて調査・分析した。自身の理想と実際の睡眠時間の差が大きくなるにつれ、「うつ傾向・不安」や「うつ病・不安障害の疑い」のある人が増える傾向にあることが明らかになった。
調査対象は、自営業者や会社役員を含む全国の就業者9852人。理想より実際の睡眠時間が5時間不足している人の38・5%が「重度のうつ病・不安障害の疑い」だったのに対し、理想以上の睡眠時間がとれている人の68・4%が「うつ傾向・不安なし」だった。睡眠不足がうつ病などの要因となっていることに警鐘を鳴らしている。
このほか白書の原案では、総務省の労働力調査などを基に、労働時間や心の健康対策などの現状についても分析した。週労働時間が60時間以上の雇用者が全雇用者に占める割合は、22年は5・1%で、12年の9・1%に比べて4・0ポイント低下した。21年の年次有給休暇の取得率は58・3%と、7年連続で上昇した。
白書は16年から毎年まとめているもので、来月にも閣議決定される。

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