「何が入っているか知らずに配り回っている人も」大麻の“手押し”をする男が語った闇バイトの実情

狛江市の連続強盗事件をはじめ、闇バイトによる凶行が世間を震撼させている。 SNSで“調達”された闇バイトは、詐欺や強盗の実行犯として跋扈し、犯行も過激化。日本の治安を著しく悪化させているのだ。その最新手口とは? ◆薬物のウーバーが大繁盛?「麻薬の密売」 薬物売人のプッシャーを意味する「手押し」と、大麻の別称「野菜」でツイッターを検索すれば、密売業者による販促の投稿が目白押しだ。 時には、覚せい剤の隠語である「アイス」の絵文字も掲載されている。 こうした違法販売網に闇バイトの存在は欠かせない。都内を中心に「手押し」をしている男が語る。 「昨年の春にHHCが規制されて大麻需要が増えて、半グレグループと仲のいい地元の先輩から誘われました。自分の場合は、ネットで注文が入ると先輩の指示で公園の茂みとかに隠してあるブツを拾い、所定のビルのトイレまで持っていく担当です。 1回当たり2000~3000円で、一日に30件近く入り、ウーバーイーツよりカネになる。都心部を回るので、職質対策は必須。会社員のフリをするため地味なワイシャツを着て、首にはどこかの会社の入館証をぶら下げています。 手押しはネットで集められたヤツもいて、何が入っているかも知らされずに配り回っていますよ」 ◆“薬物の流通網”は、「闇バイト」によって成り立っている 業者はツイッターで集客し、秘匿性の高い通信アプリ・テレグラムで客と詳細を詰める。こうした作業にも闇バイトが関わっている。 「闇バイトの見習いが、用意された文面に沿って客とやり取りし、上に報告して僕ら手押しに流れてくる。集客用のツイッターの運用、テレグラムで客とやり取りする係り、実際に運ぶ手押しと役割を細分化することでパクられにくくなっています」 薬物の流通網は、闇バイトによって成り立っているのだ。 ◆「名義人代行」独居老人の名義を闇バイトが代行… 中国出身で、都内で不動産会社を営むA(女性・42歳)は、「独居老人に賃貸物件を仲介する事業がおいしい」と打ち明ける。 「配偶者に先立たれて、持ち家を持て余す独居老人が増えています。彼らを、バリアフリーや見守りサービスを謳って高齢者向けアパート、終のすみかへと誘うのです。相場より3割高い家賃を提示しても、喜んで契約してくれますよ。 問題は、高齢者に部屋を貸し渋る物件のオーナーが多いということ。僅かな年金とアルバイトで生計をたてる65歳以上の高齢者は、保証会社の審査にも通りませんからね」

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