地域の文化財、151件不明 31都県で盗難や紛失、全国調査

都道府県が条例に基づき文化財に指定した美術工芸品計1万1千件余りのうち、31都県で計151件が盗難や紛失などで所在不明となっていることが7日、共同通信の調査で分かった。仏像や刀剣など地元で大切にされてきた文化財は、国が「地域の宝」として、観光戦略の核の一つと位置付けるが、所在確認の強化や防犯態勢の充実などの課題が改めて浮き彫りになった。
調査は2022年12月~23年4月に実施。都道府県の文化財担当部署に、今年1月1日時点の指定文化財(美術工芸品)の総数や所在不明件数、その理由などを尋ねた。
所在不明の文化財が最多だったのは栃木の43件で、静岡21件、山形15件、大分12件と続いた。16道府県は0件と回答した。種類別では、回答のあった125件のうち刀剣など工芸品が59件と最も多く、絵画24件、仏像など彫刻19件、考古・歴史資料16件、書跡や典籍などは7件だった。
所在不明の理由は、持ち主の死去・転居など連絡が取れなくなったケースが33件、盗難32件、売却12件など。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする