詐欺の疑いで住所不定・無職の女が再逮捕されました。「頂き女子・りりちゃん」と自称し、被害総額は2億円を超えているとみられています。恋愛感情を利用した手口をマニュアル化し、ネットで販売していました。その手口とは…。
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詐欺の疑いで再逮捕された渡辺真衣容疑者(25)は、自らを「りりちゃん」と名乗っていました。
渡辺容疑者(YouTubeより)
「世界の平和を守る人妻JK魔法少女りりちゃん!」
渡辺容疑者は今年4月にマッチングアプリで知り合った50歳の男性に対して、「借金を払わなければ、体を売らなければならない」などとウソを言い、男性にあわせて約2700万円を振り込ませ、だまし取った疑いがもたれています。
渡辺容疑者の口座には、数十人の男性から1億6000万円近くが振り込まれていて、「頂き女子・りりちゃん」と自称していました。さらに「手渡しでも数千万だまし取ったことがある」と述べていて、被害総額は2億円を超えているとみられています。
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渡辺容疑者は、金をだまし取ることを「頂く」と呼んでいました。SNSには、相手の“恋愛感情を利用”するためのテクニックを投稿。そのなかに、男性とのメッセージのやりとりとみられる画像もありました。
男性
「どういう状況、、? よければ教えて」
渡辺容疑者
「ううんおかねのことだから」
男性
「どのくらいキツいの、、? 言いたくないかな」
渡辺容疑者
「ううううう。心配してくれて嬉しいけどやっぱり言って引かれたりするのがやだな。いくらくらいだとおもってる?」
このように、実例を交えながら男性をその気にさせるテクニックを冊子にまとめ、ネットで販売していました。
「1か月1000万円頂く頂き女子りりちゃんのみんなを稼がせるマニュアル」としたマニュアルには、「読んでほしい人」として、「パパ活をしている女の子」「これからたくさん稼ぎたい女の子」「今よりもっと稼ぎを上げたい女の子」などと列挙していました。
渡辺容疑者はこうしたマニュアルも使い詐欺を手助けしたとして、すでに逮捕・起訴されています。
約1万円から3万円で販売していたマニュアルを1000冊ほど売ったといいます。このマニュアルを使った新たな被害を生まないためにも、その手口を見ていきます。
ターゲットを「おぢ」と呼び、「おぢに『お金出すよ』って言って頂くまでの流れ~魔法の極秘詳細~」とする金を出させるまでの会話の流れを指南しています。
…
このようにすると、「おぢ」から高額な金を引き出せるというのです。
また「おぢに言っちゃダメなこと」として、「ホストや、好きな男性芸能人の話題」をあげていました。
渡辺容疑者は「パパ活」と「頂き」は“違う”と警察に話しているということです。
渡辺容疑者(調べに対し)
「パパ活は事前に金額を決めるものだけど、頂き女子はいただける分だけもらう」
「遊ぶ金欲しさに犯行に及んだ」などと容疑を認めているということです。
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こうした詐欺の被害に遭わないためにはどうすれば良いのか、マッチングアプリのトラブルなどに詳しい専門家に聞きました。
ITジャーナリスト 高橋暁子氏
「相手に気があるそぶりを見せてお金を出させるという時点で、典型的な詐欺のパターンですので。今回の詐欺マニュアルを見たんですけども、好感を持たれるように振る舞いながら(金に)困っているのを示せと。実際に共通する手口で多くの犯罪が行われているんですね。どのような手口がマニュアルとして販売されていたか1回見ていただいて、そのような振る舞いをしている者は怪しいんだと思っていただければと」
(9月21日放送『news zero』より)