霊園の宗派巡り対立、逮捕の2人は容疑否認 東京・足立の住職殺害

東京都足立区の寺院「源証寺」の納骨堂で7月、練炭に火を付け住職の男性を一酸化炭素(CO)中毒死させたとして、霊園開発会社の社長ら男女2人が逮捕された事件で、住職と同社が寺の霊園の運営方針を巡り対立していたことが8日、捜査関係者への取材で分かった。2人が容疑を否認していることも新たに判明。事件当日は寺で納骨が予定されていたことなどから、警視庁竹の塚署捜査本部は2人が周到に計画した可能性もあるとみて経緯を調べている。
捜査本部によると、霊園開発会社「鵠祥堂(こくしょうどう)」(千葉県鎌ケ谷市)の社長、斎藤竜太(50)と取締役の青木淳子(63)の両容疑者は7月22日深夜、源証寺の地下納骨堂で練炭28個を燃やし、翌日朝に納骨堂に入った住職、大谷忍昌(しのまさ)さん=当時(70)=をCO中毒で殺害したとしている。
敷地内の焼却炉からは、2人が仕掛けたとみられるガソリン入りのペットボトル十数本も見つかり、捜査本部は練炭以外でも危害を加えようとしていたとみている。事件の数日前には斎藤容疑者が練炭やガソリンを購入していた。
捜査関係者によると、同社は令和2年から源証寺敷地内にある霊園「足立セメタリーパーク」の墓石販売などを担当。霊園の運営は当初順調だったが、次第に在来仏教徒に限定するか、宗派不問にするかなど運営方針に違いが生じるようになったと関係者が証言しているという。
事件当日は寺で納骨が予定され、焼却炉は主に大谷さんが使用していたことから、捜査本部は2人が大谷さんの行動パターンを把握していた可能性もあるとみている。

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