外国人が働きながら技術を学ぶ「外国人技能実習制度」について、政府の有識者会議は18日、現在の制度を廃止し、就労から1年たてば職場を変更できるようにするなど、条件を緩和した新たな制度の創設を提言する最終報告書のたたき台を示しました。
「技能実習制度」をめぐっては、これまで、制度の目的が発展途上国などの人材育成を通した「国際貢献」とされていましたが、実態としては、人手不足の職場での労働力確保の手段にもなっていて、制度の目的と実態のかい離が指摘されてきました。
政府の有識者会議では去年から制度の見直しの議論が進められていましたが、18日の会議で最終報告書のたたき台が示され、「人材確保」と「人材育成」を目的とする新たな制度を創設することが提言されました。
また、現在の技能実習制度は、88の職種があるものの、より熟練した技術を求める「特定技能1号」は12の分野しかなく、技能実習期間が終了した後、スムーズに移行できない問題があったため、新制度では、どの職種でも「特定技能1号」に移行できるようにすることも提言案として盛りこまれました。
また、現在の制度では、技能実習生が職場を変更する「転籍」が原則として認められていなかったため、職場での環境になじめず失踪する技能実習生が相次いでいました。
こうした現状をうけ、新制度では、同じ職場で1年以上就労していて一定程度、日本語が話せるなどの要件を満たせば本人の意向で転籍ができるよう、緩和するとしています。
有識者会議は「たたき台」をもとに議論し、年内に最終報告書を提出する方針です。