セントバーナードなど“虐待死”、2軒の借家で10匹以上の死がいの謎…逮捕の女2人、現場に生活実態みられず「巨大な犬小屋のようだった」の指摘

北海道小樽市の住宅で、セントバーナードなどの犬2匹を虐待、衰弱死させたとして、20代の女2人が逮捕された事件…2人が借りていた2軒の住宅では、10匹以上の犬などの死がいが見つかっていますが、近くの住人は、2軒とも生活している様子がほとんどみられず「巨大な犬小屋のようだった」などと話しています。
防護服のような姿で、現場の住宅に出入りをくり返していた複数の捜査員…
小樽市長橋で同居している自称・塗装工、谷口鈴音(りんね)容疑者23歳と、飲食店従業員、松下結依(ゆい)容疑者21歳の女2人は共謀し、去年12月から今年5月までの間、小樽市赤岩の借家で、飼育していた犬2匹に十分なエサを与えずに虐待、衰弱死させた動物愛護法違反の疑いが持たれています。
警察によりますと、2匹はセントバーナードとフレンチブルドッグで、床の上などに横たわり、腐敗がすすんでいました。
事件は、2人が引っ越した後の5月、現場の住宅を借りようと、内覧に訪れた人が2匹の死がいなどを見つけて発覚。
通報を受けた警察は、捜査をすすめ、19日午前、2人を逮捕しましたが、2軒の借家では、合わせて10匹以上の犬や猫などの死がいも見つかった他、生きている犬7匹、猫1匹、ヘビ1匹、ハムスター13匹も発見、保護されました。
23歳と21歳の女2人は、なぜ、これほど多数の犬などを飼育していたのか…
2軒の近くの住人に取材をすすめると、2軒とも2人が生活している様子がほとんどみられなかったことがわかりました。
・セントバーナードなどが衰弱死の赤岩の借家近くの住人 「動物がたくさんいるから、ここに引っ越したと会話」 「何年も空き家で、壁に穴、こんなところに住めるのかと思ったけど…」 「夜遅くに来て、朝方出ていくことはあった」 「5月末、警察の人が来ていろいろ聴かれ、防護服の人も来た」
・別の赤岩の住人 「去年12月、雪で車が埋まり、助けてあげた」 「それ以降、駐車スペースを貸し、自分も飼ってるので、犬の話をするようになった」 「10何匹いると話していたが、目的などは聞いてなかった」 「ゲージに入れてるの?と聞いたら、そのまま…と」 「電気は使えるが、水道、ガスは使えないと話してた」 「そんなところに住めないだろうと言うと、引っ越しまで、犬や猫を置いているだけなのでと」 「いつの間にか引っ越していた」 「5月末に警察が来て、いろいろ聴かれ、死がいの話をされてビックリ…」
・別の赤岩の住人 「冬の夜、猫のシルエットとか見えて、寒いのに可哀そうだなと」 「夜に灯りが点いていたこともあったが、生活している印象はなかった」 「いつの間にか電気は消え、車も来なくなったので、引っ越したと」 「死がいがあったなんて、本当に気持ち悪い事件」
・現在、2人が同居している長橋の借家近くの住人 「2人が1月ごろに引っ越してくる前、10年以上、空き家だった」 「挨拶しても返ってこない、変な奴らだなと」 「朝早く来たり、夜遅く来たり、1日中、家にいた印象はない」 「住居というより、巨大な犬小屋という印象だった」 「次第に変な臭いがするようになり、いろいろな動物の声も聞こえるようになった」 「5月、6月だったかな、警察と役所の人かな、20人くらいが来た」 「防護服を着ていた人もいた」 「何かあったの?と聞くと、ただ『事件です』と…」 「その時、玄関フードに大きな犬がいた」
一方、血統書を取得する窓口になっている小樽市のペットショップでは、他のエリアなどでも取得できるとした上で「2人の取り扱い歴はなく、ブリーダーとしての登録歴も見られない。ブリーダーなら、犬なら犬、猫なら猫と絞るケースが多い」と指摘しています。
また、小樽市のブリーダーに詳しい別のペットショップでも「ブリーダーの免許を取得するには、それなりのお金と苦労が必要で、若い人がポンとやれるものではない。最初は数頭だったが、飼育が乱雑で、いつの間にか増えてしまい、飼育放棄したのでは」と推測しています。
逮捕時の取り調べに対し、谷口容疑者は「虐待はしていません」と話し、容疑を否認。 一方、松下容疑者は「間違いありません」などと話し、容疑を認めているということです。
警察は容疑の犬2匹以外の余罪の可能性も視野に、多数の犬や猫を飼育するに至った経緯などを調べる方針です。

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