阿波おどりの違法プレミアム桟敷席、観光庁が調査開始「補助金不交付の可能性も」

徳島市の阿波おどりで設置されたプレミアム桟敷席が建築基準法に違反していた問題で、5500万円の補助金を交付予定だった観光庁が、経緯などについて調査を始めたことがわかった。交付が適切かどうか検討するためで、同庁は「補助金の減額や全額不交付の可能性も含め判断する」としている。
プレミアム桟敷席(1人20万円)の設置事業は、レジャー予約サイト運営会社「アソビュー」(東京都)からの提案を受け、阿波おどり実行委員会が実施。日本各地の特別な体験やイベントの創出を支援する観光庁の「観光再始動事業」に採択され、別の演舞場に設けた特別観覧席(同1万5000円)の事業と合わせて、計5500万円の補助金が交付される予定だった。
観光庁は28日、プレミアム桟敷席の違法状態での運営問題を受け、補助事業への申請を行ったアソビューから電話とオンラインで聞き取りを実施。同社は階段幅が基準より10センチ不足し、建築基準法に基づく市の検査が完了しないまま、違法状態で開設していたことを認めたという。
同庁は今後、必要に応じて市が事務局を担う実行委からも聞き取りを行うなどし、経緯や原因を調べる。
アソビューは取材に対し、「原因を報告できるよう、社内で調査する」としている。

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